“爽々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すが/\33.3%
すがすが30.0%
せいせい13.3%
さつぱり6.7%
さえ/″\3.3%
さつさつ3.3%
さは/\3.3%
さばさば3.3%
そうそう3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
起された時は、夏の朝らしい爽々すが/\しい陽が庭に一杯満ち溢れてゐた。彼は夢中で湯槽へ飛び込んで、ツと胸を撫で降した気になつたのだ。
明るく・暗く (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
こやつが担がれて惨憺たる悲鳴をあげる態を想像すると、そこに居並ぶ誰を空想した時よりも好い気味な、腹の底からの爽々すがすがしさにあおられた。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
「ええ。私もそんな気がするんです、胸のうちの悲しみや恨みやため息や、そんなもの思うさま吹き散らしてしもうたら、さぞ爽々せいせいするでしょうと思って」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顏を洗つて來た信吾は、氣も爽々さつぱりした樣で、ニヤ/\笑ひながら座についた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
客の少女はそっと室内を見廻した。そして何か思い当ることでも有るらしく今まで少し心配そうな顔が急に爽々さえ/″\して満面の笑味えみを隠し得なかったか、ちょッとあらたまって
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
僕は字引を街で金にえて、平井の紹介状しょうかいじょうふところに、その郊外の邸へ行ってみた。武者窓でもつけたら、さむらいが出て来そうな、古風な土塀どべいをめぐらした大邸宅で、邸を囲んで爽々さつさつたる大樹がしげっていた。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いかにも爽々さは/\した、一刻千金といふ言葉がふつと頭に浮ぶやうな夕暮である。遠くの賄部屋まかなひべやでは、夕食の用意の皿の音を勢よくててゐる。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
突然、彼は、かついでいた竹刀と目録とを、欄干から谷間へ、ほうり捨ててしまった。そして、何丈か下の水面で、どぼん——と白い光がちらかると、初めて、爽々さばさばしたように
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、それはそのときのことにしようと決心して、はだしに高下駄を突っかけて金剛寺の楼門さんもんを出た。微風が、お衣の袖にはらんで、一空さまは、爽々そうそうと歩いて行った。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)