“たんぱく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡泊54.5%
淡白20.5%
蛋白13.6%
澹泊6.8%
単白2.3%
淡薄2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども、竜之助の大和の国へ逆戻りをして来た縁故がただこれだけであると思うのもあまりに淡泊たんぱくであります。
武村兵曹たけむらへいそう相變あひかはらず淡白たんぱくで、慓輕へうきんで、其他そのほか三十有餘名いうよめい水兵等すいへいら一同いちどう元氣げんきよく、だいなる希望きぼう待望まちのぞみつゝ、勤勉きんべんはたらいてる。
やれ、ドドに蛋白たんぱくを与えろ、もし黒猩々チンパンジーの血があればてきめんに衰弱するとか、食べものを減らして皮膚の色をみろとか……、そんなこと、それは動物にすることだと思いますわ。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ごく澹泊たんぱくな独身生活をしている主人は、下女の竹に饂飩うどんの玉を買って来させて、台所で煮させて、二人に酒を出した。この家では茶を煮るときは、名物のつるよりうまいというので、焼芋を買わせる。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
平素は余りに単白たんぱくで色彩の乏しきに苦しむ白木造しらきづくりの家屋や居室全体も、かえってそのために一種いうべからざる明い軽い快感を起させる。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
悪魔「るしへる」は、かくわが耳に囁きて、薄暮はくぼの空をふり仰ぐよと見えしが、その姿たちまち霧の如くうすくなりて、淡薄たんぱくたる秋花あきはなに、消ゆるともなく消え去りおわんぬ。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)