“獅子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しし89.9%
しゝ4.5%
ライオン2.8%
じし2.2%
0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし「事実の上で」、ここから一歩も抜きでない以上、それはただの考えとしておりの中の獅子ししのように、頭の中をグルグル廻るにすぎない。
雪の夜 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
左のほうの老僧と小僧のいる方の壁にも壁画があって、獅子しし麒麟きりんのようなものが画いてあったがそれも隻方かたほうの眼が潰れていた。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
詩人が権力感情に高翔するのは、駱駝らくだ獅子ししになろうとし、超人が没落によって始まるところの、人間悲劇の希臘ギリシャ的序曲である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
數十里すうじふり四方しほうまつた猛獸まうじう毒蛇どくじや巣窟さうくつで、すで此時このとき數十すうじふ獅子しゝ
まがかたなく其處そこには、普通あたりまへはなよりも獅子しゝぱな酷似そつくり
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
老爺ぢいさけぶ、……それなるは、黄金こがねしやちかしらた、一個いつこ青面せいめん獅子しゝかしらけるがごと木彫きぼり名作めいさく
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なるほどドラペリーを両側につけたたての中には獅子ライオン、王冠、白鳥、不死鳥フェニックス等、現グリュックスブルグ王家の紋章が、浮き彫りになっている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼はわたしの健康のことを偽善的な優しい声できながら、しきりに獅子ライオンのような大きい黄いろい眼を据えて、測量鉛のように私のこころのうちへ探りを入れていましたが、突然に澄んだはっきりした声で話しました。
其昔、大理石で疊んだ壯麗なる演戲場の棧敷から、罪なき赤手の奴隷——完たき『無力』の選手——が、暴力の權化なる巨獸、換言すれば獅子ライオンと呼ばれたる神權の帝王に對して、如何程の抵抗を試み得るものかと興ある事に眺め下した人々の目附、その目附も斯くやあつたらうと、心の中に想はるる。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
初春のことで、かねて此邸このうちだと思う、武家の後家ごけの住居をつきとめると、流していた一文獅子じしを引っぱってきて、賑わしく窓下で、あるっかぎりの芸当をさせ、自分は離れた向う角にいた。
勇士小浜兵曹長は、息つぐまもなく前後左右からくみついてくる怪人たちを、あるいは背負投でもって、機上にあおむけに叩きつけ、あるいはまた得意の腰投で投げとばし、荒れ獅子じしのようにあばれまわりました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
流星、狂い獅子じし、七ツ傘、柳、五葉牡丹ぼたん、花ぐるま。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱を刷いたような艶々した赭ら顔は年がら年中高麗狛こまいぬのように獅子噛み、これが、生れてからまだ一度もほころびたことがない。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)