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雛段
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ひなだん
ふりがな文庫
“
雛段
(
ひなだん
)” の例文
何しろ、久し振りで
此方
(
こちら
)
の師匠が
雛段
(
ひなだん
)
へ据ったのが、あれが、こうっと——四日前の大
浚
(
さら
)
えでげしたから、未だ耳の底に残っていやすよ。
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
この舞台の正面——桜の山の書割りを背にいたしまして、もえ立ったような、紅い
毛氈
(
もうせん
)
を敷きつめた、
雛段
(
ひなだん
)
がございます。
京鹿子娘道成寺
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
さうして二十
年
(
ねん
)
も
昔
(
むかし
)
に
父母
(
ふぼ
)
が、
死
(
し
)
んだ
妹
(
いもと
)
の
爲
(
ため
)
に
飾
(
かざ
)
つた、
赤
(
あか
)
い
雛段
(
ひなだん
)
と
五人囃
(
ごにんばやし
)
と、
模樣
(
もやう
)
の
美
(
うつ
)
くしい
干菓子
(
ひぐわし
)
と、それから
甘
(
あま
)
い
樣
(
やう
)
で
辛
(
から
)
い
白酒
(
しろざけ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
雛段
(
ひなだん
)
をくつがえす勇気がないのか。君たちにとって、おいしくもないものは、きっぱり拒否してもいいのではあるまいか。変らなければならないのだ。
如是我聞
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
妹山の家には古風な大きい
雛段
(
ひなだん
)
が飾られて、若い美しい姫が腰元どもと一緒にさびしくその雛にかしずいている。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
何を訊いても
埒
(
らち
)
があかず、ただ今朝は自分で
雛段
(
ひなだん
)
を畳んで雛の道具を土蔵へ運ぶはずだったが、気分が悪かったので
止
(
よ
)
してしまって、下女のお文に頼んだところ
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雛段
(
ひなだん
)
はまえの半分にも足りないほど小さく、雛の数も少なかった。七重は段の上の
雪洞
(
ぼんぼり
)
に
灯
(
あかり
)
をいれながら、「たいていな雛や道具は
姪
(
めい
)
のたみにやってしまったのだ」
艶書
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
もしくは四段の
雛段
(
ひなだん
)
式に場席がなっていて、一桝くぎりはおなじだが、これは舞台へ斜めにむかう
工合
(
ぐあい
)
で、おなじ竪に流れていながら横にならんでいる感じでならび
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
数千人を容るる大テントの中央、円形の演芸場、それを取り巻いて
雛段
(
ひなだん
)
の観客席、夜は石油の大カンテラを無数に点じて昼を
欺
(
あざむ
)
く。黒ん坊の楽師十余名の奏楽で実演。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
どこからか古い
雛段
(
ひなだん
)
を出して来て順序よく並べ、
暫
(
しばら
)
くするとまた並べ替えるのでした。
大釜
(
おおがま
)
を古道具屋から買って来て、書生に水を一ぱい張らせます。夕方植木に水をやるのは私の役でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
そうして二十年も昔に父母が、死んだ
妹
(
いもと
)
のために飾った、赤い
雛段
(
ひなだん
)
と
五人囃
(
ごにんばやし
)
と、模様の美くしい干菓子と、それから甘いようで
辛
(
から
)
い白酒を思い出した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひとくちに云うと、
屏風
(
びょうぶ
)
で三方を囲まれた
雛段
(
ひなだん
)
のような地形で、石を組みあげた台地が斜面に段をなしており、若木の
檜
(
ひのき
)
や杉の疎林のあいだに、住民たちの家がちらばって見えた。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女が長い
衣
(
きぬ
)
の
裾
(
すそ
)
を
捌
(
さば
)
いているようにも受取られるが、ただの女のそれとしては、あまりに
仰山
(
ぎょうさん
)
である。
雛段
(
ひなだん
)
をあるく、
内裏雛
(
だいりびな
)
の
袴
(
はかま
)
の
襞
(
ひだ
)
の
擦
(
す
)
れる音とでも形容したらよかろうと思った。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“雛段”の意味
《名詞》
「雛壇」を参照。
(出典:Wiktionary)
雛
漢検準1級
部首:⾫
18画
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
“雛”で始まる語句
雛
雛妓
雛鳥
雛形
雛罌粟
雛壇
雛鶏
雛様
雛菊
雛芥子