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險惡
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けんあく
ふりがな文庫
“
險惡
(
けんあく
)” の例文
新字:
険悪
「うむ、
困
(
こま
)
つたなあ」
卯平
(
うへい
)
は
深
(
ふか
)
い
皺
(
しわ
)
を
蹙
(
しが
)
めていつた。さうして
後
(
あと
)
は一
言
(
ごん
)
もいはない。お
品
(
しな
)
の
病状
(
びやうじやう
)
は
段々
(
だん/\
)
險惡
(
けんあく
)
に
陷
(
おちい
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのうちにも、
病人
(
びやうにん
)
の
容態
(
ようたい
)
は、
刻々
(
こく/\
)
險惡
(
けんあく
)
になつてゆくので、たうとう、そこから
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
くない、
府下
(
ふか
)
××
村
(
むら
)
のH
病院
(
びやうゐん
)
へ
入院
(
にふゐん
)
させるより
仕方
(
しかた
)
がなくなつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
實
(
じつ
)
にこの
險惡
(
けんあく
)
なる
性質
(
せいしつ
)
、
苦慘
(
くさん
)
の
實况
(
じつけう
)
を、
一個
(
いつこ
)
のヒポコンデリア
漢
(
かん
)
の
上
(
うへ
)
に
直寫
(
ちよくしや
)
したるものなるべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
戸外體操には、
險惡
(
けんあく
)
な日であつた。雨が降つてゐるといふのではなかつたが、しと/\した黄色の霧で暗くなつてゐた。地面はすつかり、まだ昨日の大雨でジメ/\してゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
佛人
(
フツジン
)
の
如
(
ごと
)
くに
輕佻
(
けいてふ
)
動
(
うご
)
き
易
(
やす
)
きにあらず、
默念焦慮
(
もくねんせうりよ
)
して
毒刄
(
どくじん
)
を
懷裡
(
かいり
)
に
蓄
(
たくは
)
ふるは、
實
(
じつ
)
に
露人
(
ロジン
)
の
險惡
(
けんあく
)
なる
性質
(
せいしつ
)
なり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
勘次
(
かんじ
)
は
春
(
はる
)
の
間
(
あひだ
)
にお
品
(
しな
)
の四十九
日
(
にち
)
も
過
(
すご
)
した。
白木
(
しらき
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
心
(
こゝろ
)
ばかりの
手向
(
たむけ
)
をしただけで一
錢
(
せん
)
でも
彼
(
かれ
)
は
冗費
(
じようひ
)
を
怖
(
おそ
)
れた。
彼
(
かれ
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
利根川
(
とねがは
)
の
工事
(
こうじ
)
へ
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
は
冬
(
ふゆ
)
は
漸
(
やうや
)
く
險惡
(
けんあく
)
な
空
(
そら
)
を
彼等
(
かれら
)
の
頭上
(
づじやう
)
に
表
(
あら
)
はした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
險
部首:⾩
16画
惡
部首:⼼
12画
“險”で始まる語句
險
險難
險山
險阻
險坂
險路