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長脇差
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ながわきざし
ふりがな文庫
“
長脇差
(
ながわきざし
)” の例文
身仕度
(
みじたく
)
を整えた伝吉は
長脇差
(
ながわきざし
)
を引き抜いた
後
(
のち
)
、がらりと地蔵堂の
門障子
(
かどしょうじ
)
をあけた。
囲炉裡
(
いろり
)
の前には坊主が一人、
楽々
(
らくらく
)
と足を投げ出していた。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
着流しに
長脇差
(
ながわきざし
)
、ひとつ
印籠
(
いんろう
)
という異様な
風態
(
ふうてい
)
だったので、人目をひかぬはずもなかったが、
尾張
(
おわり
)
の殿様も姫路の殿様も、
編笠
(
あみがさ
)
なしの
素面
(
すめん
)
で
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
関東
縞
(
じま
)
の
袷
(
あわせ
)
に、
鮫鞘
(
さめざや
)
の
長脇差
(
ながわきざし
)
を
佩
(
さ
)
して、
脚絆
(
きゃはん
)
草鞋
(
わらじ
)
で、厳重な足ごしらえをした忠次は、
菅
(
すげ
)
のふき下しの笠を
冠
(
かぶ
)
って、先頭に立って、威勢よく歩いていた。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
村内のものでも
長脇差
(
ながわきざし
)
を帯びるか、または
無宿者
(
むしゅくもの
)
を隠し泊めるかするものがあればきびしく取り締まるようになって、毎月五日には各村民が陣屋に参集するという。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
己
(
おれ
)
今でこそ車を引いてるが、元は
大久保政五郎
(
おおくぼまさごろう
)
の親類で、
駈出
(
かけだ
)
しの
賭博打
(
ばくちうち
)
だが、
漆原
(
うるしはら
)
の
嘉十
(
かじゅう
)
と云った
長脇差
(
ながわきざし
)
よ、ところが
御維新
(
ごいっしん
)
になってから賭博打を
取捕
(
とっつかめ
)
えては
打切
(
ぶっき
)
られ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
やはりこの辺を飛び廻る下級の
長脇差
(
ながわきざし
)
、
胡麻
(
ごま
)
の
蠅
(
はえ
)
もやれば
追剥
(
おいはぎ
)
も
稼
(
かせ
)
ごうという程度の連中で、今、中に取捲いて
脅
(
おど
)
しているのは、これは十二三になる
侍
(
さむらい
)
の子と
覚
(
おぼ
)
しき
風采
(
ふうさい
)
で
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
野山に
生
(
は
)
へる杉の樹や松の樹までが、常陸ッ木下総ッ木といへば、
大工
(
だいく
)
さんが今も顔をしかめる位で、後年の
長脇差
(
ながわきざし
)
の侠客も
大抵
(
たいてい
)
利根川沿岸で血の雨を降らせあつてゐるのだ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
眼ッかちの久六だの、
禿安
(
はげやす
)
という
長脇差
(
ながわきざし
)
だの、
蟇
(
がま
)
の
刺青
(
いれずみ
)
だの、五人ほどの
闘鶏師
(
とりし
)
が
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
力と頼みて夜道をも子故の
闇
(
やみ
)
にたどりつゝ三次が後に
引添
(
ひきそひ
)
歸らぬ旅路へ赴むくと虫が知らすか
畔傳
(
あぜづた
)
ひつたはる因果の
耳元
(
みゝもと
)
近く淺草寺の鐘の音も
無常
(
むじやう
)
を告る
後夜
(
ごや
)
の聲かねて覺悟の早乘三次
長脇差
(
ながわきざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
長脇差
(
ながわきざし
)
を用意して置いてか?」
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
(地図参照)伝吉は現在平四郎の
浄観
(
じょうかん
)
と云っているのも確かめた上、安政六年九月
七日
(
なのか
)
、
菅笠
(
すげがさ
)
をかぶり、
旅合羽
(
たびがっぱ
)
を着、
相州無銘
(
そうしゅうむめい
)
の
長脇差
(
ながわきざし
)
をさし、たった一人仇打ちの
途
(
と
)
に
上
(
のぼ
)
った。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
脇
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
“長脇”で始まる語句
長脇
長脇指