金剛石こんごうせき)” の例文
金剛石こんごうせきと炭とは同じ物質からでき上がっているのだそうだが、その金剛石と炭よりももっと違い方のはなはだしいこの二人の生き方が
そして友達と雑談をするとき、「小説家なんぞは物を知らない、金剛石こんごうせき入の指環ゆびわめた金持の主人公に Manila を呑ませる」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
きゅうに声がどこか別の世界に行ったらしく聞こえなくなってしまいました。そしていつか十力じゅうりき金剛石こんごうせきおかいっぱいに下っておりました。
「ありがとう。清君の介抱をたのむ。明日の夜、本隊は紅玉軍港金剛石こんごうせき砲台の沖へつくはずだ。痛快な砲撃をやって見せるぞ。汝(千代田)も早く来い!」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
ごろごろとらない石瓦いしかわらが沢山あるより金剛石こんごうせきが二つ三つある方がたっといではないか。どうも困ったものだ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
老若男女を選ばず、磨けばみがくほど、いよいよその光沢つやが出てきます。「金剛石こんごうせきも磨かずば」で、実をいうと私どもは互いにその金剛石ダイヤモンドを一つずつ所有しているのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
夕日の光をうけて金剛石こんごうせきのようにきらきら光っていました。
まるでひるの間にいっぱい日光をった金剛石こんごうせきのようにつゆがいっぱいについて、赤やみどりやきらきらえて光っているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
乾葡萄ほしぶどう、乾桃、乾棗ほしなつめ及び薬種その他宝石類では金剛石こんごうせき瑠璃るり𤥭琥しゃこ瑪瑙めのう琥珀こはく類であるが、なかんずくその大部分を占めて居るものは珊瑚珠さんごじゅというもとどりを飾る宝石である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
金剛石こんごうせきの露こぼるるあだし貴人の服のおもげなるをあざむきぬ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
金剛石こんごうせきや草のつゆやあらゆる立派りっぱさをあつめたような、きらびやかな銀河ぎんが河床かわどこの上を、水は声もなくかたちもなくながれ、そのながれのまん中に
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
うめばちそうはブリリンときあがってもう一ぺんサッサッと光りました。金剛石こんごうせきの強い光のこながまだはなびらにのこってでもいたのでしょうか。
「来た来た。ああ、とうとう来た。十力じゅうりき金剛石こんごうせきがとうとう下った」と花はまるでとびたつばかりかがやいてさけびました。
波はいよいよ青じろい焔をゆらゆらとあげました、それは又金剛石こんごうせきの粉をはいているようでした。
やまなし (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
吸った金剛石こんごうせきのようにつゆがいっぱいについて赤や緑やきらきら燃えて光っているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざとれないふりをして、かくしておいた金剛石こんごうせきを、だれかがいきなりひっくりかえして、ばらまいたというふうに
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ねだんがやすくならないために、わざとれないふりをして、かくして置いた金剛石こんごうせきを、たれかがいきなりひっくりかえして、ばらいたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
金剛石こんごうせきや草のつゆやあらゆる立派さをあつめたような、きらびやかな銀河の河床かわどこの上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光のした一つの島が見えるのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みちのかたわらなる草花はあるいは赤く或は白い。金剛石こんごうせきかた滑石かっせきやわらかである。牧場は緑に海は青い。その牧場にはうるわしき牛佇立ちょりつし羊群ける。その海には青くよそおえる鰯も泳ぎおおいなる鯨もうかぶ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またその桔梗ききょういろのつめたい天盤てんばんには金剛石こんごうせき劈開片へきかいへん青宝玉せいほうぎょくとがった粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶きずいしょうのかけらまでごく精巧せいこうのピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手かって呼吸こきゅうし勝手にぷりぷりふるえました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)