配達夫はいたつふ)” の例文
「はい、」とやなぎしたで、洗髮あらひがみのおしなは、手足てあし眞黒まつくろ配達夫はいたつふが、突當つきあたるやうにまへ踏留ふみとまつて棒立ぼうだちになつてわめいたのに、おどろいたかほをした。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「やはり仲間なかまつかまって、くるしんでいるのをたすけようとしてりるのだな。」と、配達夫はいたつふがいいました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、配達夫はいたつふが一通の電報でんぽう配達はいたつして来た。その文言もんごんにはこうあった。
「さあ、時間じかんがおくれてしまって、たいへんだ。」と、配達夫はいたつふも、また自転車じてんしゃばしていきました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
與吉よきち仕事場しごとば小屋こやはひると、れいごとく、そのまゝ材木ざいもくまへひざまづいて、のこぎりけたとき配達夫はいたつふは、此處こゝまへ横切よこぎつて、なゝめに、なみられてながるゝやうな足取あしどりで、はしつた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あきすえながら、お天気てんきは、黄色きいろくなったや、おかに、たって、なんとなくのどかなかんじがしたが、みぞれがすと、少年しょうねん配達夫はいたつふあたまがら雨具あまぐをぬらしてはいってきました。
母の心 (新字新仮名) / 小川未明(著)