近世きんせい)” の例文
古昔いにしへの預言者は近世ちかごろに望むべからず、近世きんせいの預言者は文字の人なりと言へる、己れみづから一預言者なるカアライルの言を信ずることを得ば
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
近世きんせいになってから、人間にんげん堕落だらくした。だんだんほんとうのというものがわからなくなった。そこへいくと、まだ自然界しぜんかいは、原始時代げんしじだいからのままだ。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
近世きんせいでは、いぬ使命しめいといふこと左迄さまで珍奇ちんきことではないが、それとこれとは餘程よほど塲合ばあひちがつてるので、二名にめい水兵すいへいあやぶみ、武村兵曹たけむらへいそううでこまぬいたまゝじつ稻妻いなづまおもてながめた。
なんとくしたがそのもつとおほい(五三)彰明しやうめい較著かうちよなる者也ものなり近世きんせいいたるがごとき、(五四)操行さうかう不軌ふきもつぱ(五五)忌諱ききをかし、しか終身しうしん逸樂いつらくし、富厚ふうこうかさねてえず。
この諸平もろひらのゐた時分じぶんに、近世きんせいでもっとも名高なだか香川景樹かがはかげきといふ歌人かじん京都きようとにゐました。非常ひじよう上手じようず評判ひようばんがあり、門人もんじんおほく、その一門いちもんさかえていままでもつゞいてゐるほどのひとでありました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)