踏鳴ふみな)” の例文
身體からだゆすり、下駄げたにて板敷いたじき踏鳴ふみならすおとおどろ/\し。そのまゝ渡場わたしばこゝろざす、石段いしだん中途ちうとにて行逢ゆきあひしは、日傘ひがささしたる、十二ばかりの友禪縮緬いうぜんちりめん踊子をどりこか。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おもはずわらつたが、これはわからなかつた。やつこはけろりとして、つめたいか、日和下駄ひよりげたをかた/\と高足たかあし踏鳴ふみならす。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とゞろ/\と踏鳴ふみならしもしない、かるくつおとも、はずで、ぽかりと帽子ばうしぐやうにつのえためんつて、一寸ちよつとかべくぎけた、かほると、なんと! 色白いろじろ細面ほそおもて
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ばあさん、また豆府とうふか。そいつをはせるとちまふぞ。」で、かねてこのみの長船をさふねさやはらつて、階子段はしごだんうへ踏鳴ふみならしたと……御自分ごじぶんではなさらなかつたが、當時たうじのおともだちもよくはなすし
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
四、五名の足のばたばたばたと床板ゆかいた踏鳴ふみならす音ぞ聞こえたる。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)