起直おきなほ)” の例文
かれはどつかりすわつた、よこになつたがまた起直おきなほる。さうしてそでひたひながれる冷汗ひやあせいたが顏中かほぢゆう燒魚やきざかな腥膻なまぐさにほひがしてた。かれまたあるす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いなたゞ音のしたりと思へるのみ、別にそやと問ひもせず、はた起直おきなほりて見むともせず、うつら/\となしれり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その間赤彦君は我慢をして起直おきなほつてゐた。それからまた俯伏してしまつた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
座頭ざとうむくと起直おきなほつて、はらて、道端みちばたにあつて往来わうらいさまたげなりと、二三十にんばかりにてもうごかしがたき大石だいせきかどをかけ、えいやつといふて引起ひきおこし、よりたかくさしげ、谷底たにそこ投落なげおとす。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うなつて、矢庭やには抱込だきこむのを、引離ひきはなす。むつくり起直おきなほる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とはぐらかすと、つま引合ひきあはせながら、起直おきなほつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雪枝ゆきえくさつかんで起直おきなほつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雪枝ゆきえ起直おきなほつてつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)