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起直
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おきなほ
彼はどつかり
坐つた、
横になつたが
又起直る。
而して
袖で
額に
流れる
冷汗を
拭いたが
顏中燒魚の
腥膻い
臭がして
來た。
彼は
又歩き
出す。
否唯音のしたりと思へるのみ、別に
誰そやと問ひもせず、はた
起直りて見むともせず、うつら/\となし
居れり。
その間赤彦君は我慢をして
起直つてゐた。それからまた俯伏してしまつた。
座頭むくと
起直つて、
腹を
立て、
道端にあつて
往来の
障なりと、二三十
人ばかりにても
動かしがたき
大石の
角に
手をかけ、
曳やつといふて
引起し、
目より
高くさし
上げ、
谷底へ
投落す。
と
唸つて、
矢庭に
抱込むのを、
引離す。むつくり
起直る。
とはぐらかすと、
褄を
引合はせながら、
起直つて
と
雪枝は
草を
掴んで
起直つて
と
雪枝は
起直つて
言つた。