貞心ていしん)” の例文
其方儀貞實ていじつ信義しんぎ烈女れつぢよ民間みんかんにはまれなる者なり汝が貞心ていしん天もかんずる所にしてかくをつとが無實の罪明白に成事感賞かんしやうたへたりとて厚く御褒詞はうし有之
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なれどもお隅は貞心ていしんな者でございますから、いように切りけては客と一つ寝をする様なことは致しません、もとより器量はし、様子は好し、其の上世辞がありまするので、大して客がござります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なん御覽ごらんじてなんとおうらみなさるべきにやぎしゆき邂逅かいごうふたつなき貞心ていしんうれしきぞとてホロリとしたまひしなみだかほいまさきのこるやうなりさりながらおもこゝろ幽冥ゆうめいさかひにまではつうずまじきにや無情つれなかなしく引止ひきとめられしいのち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
し今日露顯ろけんに及ばんとする事衆怨しうゑんの歸する所にして就中なかんづく道十郎が無念むねん魂魄こんぱくとお光が貞心ていしんを神佛の助け給ふ所ならん恐るべしつゝしむべし。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぶさに物語り彼忠兵衞を證據人とし私し駈込願かけこみねがひ致し度と涙をうかめて頼みける容子ようす貞心ていしんあらはれければ長助は感心なし今度忠兵衞がはからずお前方に過去すぎさりたる一けん口走くちばしりしはお光殿の貞心ていしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)