豎子じゅし)” の例文
豎子じゅし策戦を知らず、徒に壮語を弄して一時の快を何とかなす、然し、つとめて声を和げ、余勢をかつての前進は常に最も容易であるが
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
追従ついしょうを並べていないが、大塩中斎あたりが、雪はきよし聖君立旗の野、風はなまぐさ豎子じゅし山を走るの路なんぞとお太鼓を叩いているのが心外じゃ
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
豎子じゅし、われを用いず。いまに後悔するから見ていろ。——そうだ、見せてやろう、おれが自刃する理由は何もない」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幻影の盾を南方の豎子じゅしに付与す、珍重に護持せよと。われ盾をかざしてその所以ゆえんを問うに黙して答えず。いて聞くとき、彼両手を揚げて北の空をゆびさしていわく。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかれども蕪村は成功する能わずして歿し、かえって豎子じゅしをして名を成さしめたり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
燕王手をって笑って、李九江りきゅうこう膏梁こうりょう豎子じゅしのみ、未だかつて兵に習い陣を見ず、すなわあたうるに五十万の衆を以てす、これ自らこれあなにするなり、と云えるもの、酷語といえども当らずんばあらず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
豎子じゅし兵法を知らずといったのはそこだ。わしは坊主だが、孫呉の神髄しんずいが何だかぐらいは、じっておる。ただし、わしが引き受けるには条件がある、それを
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今の京都は近藤勇の天下だよ、イサミの勢力が飛ぶ鳥を落している——会津よりも、長州よりも、薩摩よりも——豎子じゅしをして名を成さしめている、は、は、は」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
滞在の当時君らを手本として万事君らの意の如くするあたはざりしのみならず、今日に至るまで君らが東洋の豎子じゅしに予期したるほどの模範的人物となる能はざるを悲しむ。
『文学論』序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかれども蕪村は成功する能はずして歿し、かへつて豎子じゅしをして名を成さしめたり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ふるい法城に住む僧として今、信長に反意をもたない僧は、ひとりもなかったであろう。——豎子じゅし何者ぞ! の語気のうちにすべての感情がこもっているといっていい。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本県の中学は昔時せきじより善良温順の気風をもって全国の羨望せんぼうするところなりしが、軽薄けいはくなる二豎子じゅしのために吾校わがこうの特権を毀損きそんせられて、この不面目を全市に受けたる以上は
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
豎子じゅし曹操。なにほどのことやあらんです。拙者におまかせなさい。いまの妙策はいけませんか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ降る雨の心苦しくて、踏む足の疲れたるを気に掛ける瞬間に、われはすでに詩中の人にもあらず、画裡がりの人にもあらず。依然として市井しせいの一豎子じゅしに過ぎぬ。雲煙飛動のおもむきも眼にらぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「われあやまって、豎子じゅしはかりごとにあたる。何の面目あって、生きて家兄このかみ(玄徳)にまみえんや」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし、共に語るに足らん!」とののしると、たちまち、わが陣地へ帰って来て
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……けれど国家久遠の計を思うならば、ひとりの豎子じゅし、なんぞ惜しむに足らんやです。これしきの悲しみに会って、たちまち凡夫にかえるようなことで、どうして大業の基が建てられましょう。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし、何をいう! お前なんぞは、治世の能臣、乱世の姦雄かんゆうだ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——策がないだけじゃろ。つまり豎子じゅし、兵法を知らんのじゃ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「佐久間めが、青々と出たことよ。……豎子じゅし、何を夢むか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「汝は、朕の兵略が、黄口の豎子じゅしにすら及ばんというか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(誇れよ、真田。豎子じゅしに一時の名を成さしてやろう程に)
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(賤ヶ嶽、越軍の敗れは、一に豎子じゅし大事を誤るによる)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし、かくもちんを、ないがしろに振舞うか」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし! まだ忍剣にんけん鉄杖てつじょうのあじを知らぬな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅしっ。よくもちんをかくはずかしめたな」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし。望むのは、これか」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅしっ、なんぞ死を急ぐ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし、居着いておるわ)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「笑うべし。豎子じゅしっ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし! やりおる)
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし、何をいうか)
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅしッ。推参すいさん!」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豎子じゅし! 何者」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)