“見晴(みはら)” の例文
装飾のない室の外は葭簀(よしず)の日避(ひよけ)をした外縁(ヴエランダ)になつてゐて、広々した海湾の景色は寝台の上に横(よこた)はりながら一目(ひとめ)に見晴(みはら)すことが出来る。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
其は玉川の近くでも何でもなく、見晴(みはら)しも何も無い桑畑の中にある小さな板葺のそれでも田舎には珍らしい白壁の建物であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
漸(ようや)く山林地帯(さんりんちたい)を出抜(でぬ)けると、そこは最(も)う山(やま)の頂辺(てっぺん)で、芝草(しばくさ)が一面(めん)に生(は)えて居(お)り、相当(そうとう)に見晴(みはら)しのきくところでございました。
『やア、僕(ぼく)は今(いま)、フアーマーをして居(ゐ)る處(ところ)だ。まア上(あが)り給(たま)へ。直(ぢ)き足(あし)を洗(あら)ふ。離座敷(はなれざしき)は見晴(みはら)しが好(い)いから』と客(きやく)を好(この)む。
門(かど)に T. Hamashima(はまじまたけぶみ), と記(しる)してあるのは此處(こゝ)と案内(あんない)を乞(こ)ふと、直(す)ぐ見晴(みはら)しのよい一室(ひとま)に通(とう)されて
目的(めあて)の海岸(かいがん)——某地(ぼうち)に着(つ)くと、海(うみ)を三方(さんぱう)——見晴(みはら)して、旅館(りよくわん)の背後(うしろ)に山(やま)がある。上(うへ)に庚申(かうしん)のほこらがあると聞(き)く。……町並(まちなみ)、また漁村(ぎよそん)の屋根(やね)を、隨處(ずゐしよ)に包(つゝ)んだ波状(はじやう)の樹立(こだち)のたゝずまひ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「おお、なるほど、これはよい見晴(みはら)しですな」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)