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被仰
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おっしゃ
ふりがな文庫
“
被仰
(
おっしゃ
)” の例文
「ええ。風変りでいらっしゃいました。……そして、なんでも『これは
儂
(
わし
)
の趣味じゃ』と
被仰
(
おっしゃ
)
るのが口癖でございました」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
朝から飲んでるからもう酔い
醒
(
ざめ
)
のする時分だからさ、
町代
(
まちだい
)
の
總助
(
そうすけ
)
さんが来て余り酒を飲ましちゃアいけない、あれでは身体が
堪
(
たま
)
るまいと
被仰
(
おっしゃ
)
って案じておいでだよ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わたしは十二の歳から村の入口の
咸享酒店
(
かんこうしゅてん
)
の小僧になった。番頭さんの
被仰
(
おっしゃ
)
るには、こいつは、見掛けが
野呂間
(
のろま
)
だから上客の
側
(
そば
)
へは出せない。店先の仕事をさせよう。
孔乙己
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「と
被仰
(
おっしゃ
)
るのはあなたが江戸っ子でおいでだから。——いまの吉原はそんな国じゃァござんせん。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「それなら初めからそう
被仰
(
おっしゃ
)
ればいいのに。瀬川さんに遠慮なんかいらないじゃありませんか。」
愚かな一日
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
だってね
母上
(
おっかさん
)
のことだから又大きな声をして
必定
(
きっと
)
お
怒鳴
(
どなり
)
になるから、
近処
(
きんじょ
)
へ聞えても外聞が悪いし、それにね、
貴所
(
あなた
)
が思い切たことを
被仰
(
おっしゃ
)
ると直ぐ私が恨まれますから。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
もう
鬢
(
びん
)
に大分
白髪
(
しらが
)
も見える、汚ない髭の
親仁
(
おやじ
)
の私が、親に継いでは犬の事を憶い出すなんぞと、
余
(
あんま
)
り馬鹿気ていてお話にならぬ——と、
被仰
(
おっしゃ
)
るお方が有るかも知れんが、私に取っては
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「じゃア、おばさん、私が何か不都合な事でも
為
(
し
)
ていると
被仰
(
おっしゃ
)
るんですか。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
諏訪 じゃ、どうすればいいと
被仰
(
おっしゃ
)
るの、そんなこと言って。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「致しましたが、夫れがどうだと
被仰
(
おっしゃ
)
るんです」
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
「こちらが、主人の友人で
黒塚
(
くろづか
)
様と
被仰
(
おっしゃ
)
います。こちらが、私の実弟で
洋吉
(
ようきち
)
と申します。どうぞ
宜
(
よろ
)
しく」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「質屋から持って来たお金なんか
厭
(
いや
)
だと
被仰
(
おっしゃ
)
ったのだから持て行かなくったって可う御座いますよ」と言い放って
口惜
(
くや
)
し涙を流すところだが、お政にはそれが出来ない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それァそうです。——遠州屋さんのそう
被仰
(
おっしゃ
)
るのは当りまえです。……いかに昨今の、ものを知らない相手だって、仮りにも二長町でつかわれている人間が遠州屋さんを
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
蘭「貴方が来いとも
被仰
(
おっしゃ
)
らないに参ってはお叱りを受けようかと思いまして参りかねて居りましたが、兼が何んでも
行
(
ゆ
)
けと勧めますから参りまして、
能
(
よ
)
く遅くもお帰りで」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それでもお金持じゃないの? お前は今三人のお
妾
(
めかけ
)
さんがあって、外に出る時には八人
舁
(
かつ
)
きの
大轎
(
おおかご
)
に乗って、それでもお金持じゃないの? ホホ何と
被仰
(
おっしゃ
)
ろうが、私を
瞞
(
だま
)
すことは出来ないよ
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
そう
被仰
(
おっしゃ
)
るんでしょう。怪しいですね、そりゃ。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「
母上
(
おっか
)
さん。
貴女
(
あなた
)
は
何故
(
なぜ
)
そんなことを急に
被仰
(
おっしゃ
)
るのです」と自分は思わず涙を
呑
(
の
)
んだ。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
何ういう間違か貴方の床の間に有ります其のお荷物が
私
(
わし
)
のだと仰しゃるので、
判然
(
はっきり
)
とは分りませんが念の為に改めて見たいとこう
被仰
(
おっしゃ
)
るので、誠に失礼ではございますがお荷物の処を
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「と
被仰
(
おっしゃ
)
ると……いったい又なんのためにそんな事をなさるんですか?」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
孔子様の
被仰
(
おっしゃ
)
るには「名前が正しくないと話が脱線する」と。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
何んだ、まだそんなものかと
被仰
(
おっしゃ
)
ったほうがいゝわ。
三の酉
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「私はね、何もかも
全然
(
すっかり
)
憶えていて、貴下の
被仰
(
おっしゃ
)
った事も皆な覚えていますの。」
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あの
何
(
な
)
んで、
何
(
なん
)
とか申した変な名でございました
其所
(
そこ
)
へ材木を買出しながら行くって、帰りに何で周玄さんというお医者が御一緒で、事に依ると金沢へ廻るかも知れんと
被仰
(
おっしゃ
)
いました
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今あなたの
被仰
(
おっしゃ
)
ったように、金剛氏と不義関係にあった被害者の妻が、南室で荷物の整理をしながら、一寸の隙を見て東室へ忍び入り、これから写生をしようとしていた被害者を、後から殴り殺して
闖入者
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「先生がころがり出ろと
被仰
(
おっしゃ
)
るのに、てめえは
肯
(
き
)
かねえのか」
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
イヤ先生御立腹御尤もだ是は幾ら
被仰
(
おっしゃ
)
っても宜しい、お腹立御尤もの次第で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども
理由
(
わけ
)
を
被仰
(
おっしゃ
)
い、是非
其
(
そ
)
の理由を聞きましょう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「と
被仰
(
おっしゃ
)
ると?」
闖入者
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
色々と御親切に仰しゃって衣類まで貸して下さり、此の通り
私
(
わし
)
に綿入羽織にしろと
被仰
(
おっしゃ
)
ってこれを貸して下すった実に御親切な事で恐入った訳で、
仇
(
あだ
)
に思っては成りませんぞ、実に仕合せな事で
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の笛を所持したものゝ命日と
被仰
(
おっしゃ
)
って見ると、誠に思いがけないことでございまする、これは
他
(
た
)
に少ない品でござるが、何う云うわけで
此方
(
こなた
)
さまに有りまするか、とんと手前には分りませんが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
喜「へえ、
何
(
なん
)
だか
博奕
(
ばくち
)
に勝ったと
被仰
(
おっしゃ
)
います」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
被
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“被仰”で始まる語句
被仰付
被仰出
被仰聞
被仰出候事
被仰處
被仰附
被仰達候
被仰付候事
被仰付候旨
被仰候得者