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げさ
ふりがな文庫
“
袈裟
(
げさ
)” の例文
振り返つてクワツと眼を剥いたのは、五十近い
修驗者
(
しゆげんじや
)
、總髮に
兜巾
(
ときん
)
を頂き、輪
袈裟
(
げさ
)
をかけて
數珠
(
じゆず
)
を押し揉む、凄まじい髯男です。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
目の前に見えた黒袴の足許を抜き討ちにさっと払いながら立ち上がって、更にまた一人を
後
(
うし
)
ろ
袈裟
(
げさ
)
にズーンと斬って下げた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
疵は、逃げようとしたところをでも追い斬りに斬り下げられたらしく、右肩から左へ
斜
(
はす
)
にうしろ
袈裟
(
げさ
)
が一太刀です。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
三人が眼をあげると、お菊は右の肩先からうしろ
袈裟
(
げさ
)
に切下げられて、冷たい土の上に横たわっていた。播磨は彼女の死骸を井筒の底へ沈めろといい付けた。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼らは大
袈裟
(
げさ
)
にオックスの作を喝采し、二、三度作者を呼び出した。オックスはそのたびにかならず姿を現わした。そして、それがこの音楽会の終わりだった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
後
(
うし
)
ろ
袈裟
(
げさ
)
に、ザックリと思う壺に浴びせられて、
二言
(
にごん
)
ともなく息が絶えている形であります。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
食事中に俊亮は、今日の次郎の水泳ぶりを大
袈裟
(
げさ
)
に
吹聴
(
ふいちょう
)
した。そして最後に
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
甚だ大
袈裟
(
げさ
)
で雲つくばかりの大入道となり、人間の胆を潰すのを見て喜ぶ。
老狸伝
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
目掛けて
追來
(
おひきた
)
り
後
(
うし
)
ろより大
袈裟
(
げさ
)
に切り付申候是に
因
(
より
)
て嘉川家の者ども
散々
(
さん/″\
)
に逃退き
漸
(
やうや
)
く喧嘩も鎭り屋敷へ歸りし後此事
内濟
(
ないさい
)
にて
相濟
(
あひすみ
)
たり然れ共私し儀首筋より
脊
(
せ
)
へ
掛
(
か
)
けて
大疵
(
おほきず
)
あるに付其時より異名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ニューラの大
袈裟
(
げさ
)
な様子をいやがるように素子がきいた。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
うしろ
袈裟
(
げさ
)
に。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
傷は一刀の下に斬下げた、見事な後ろ
袈裟
(
げさ
)
、
虚空
(
こくう
)
を掴んで
仰
(
の
)
け
反
(
ぞ
)
った太吉の顔は、
夥
(
おびただ
)
しい出血に、紙よりも白くなっております。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
重荷の下に前かがみになってるゴットフリートは、ふり返った。そして大
袈裟
(
げさ
)
な身振りをやってるクリストフの姿を見、ある標石の上にすわって、待ち受けた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
後ろ
袈裟
(
げさ
)
を狙った、
女衒
(
ぜげん
)
の久六の道中差。かわして、のめり流れた背中へ、ピュッと一太刀浴びせつけた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右の肩先からうしろ
袈裟
(
げさ
)
に斬られているのを見ると、その相手は恐らく
武士
(
さむらい
)
で、うしろから一刀に斬り倒して、死骸を河へ投げ落としたのであろうと察せられた。
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
傷は一刀の下に斬下げた、見事な後ろ
袈裟
(
げさ
)
、
虚空
(
こくう
)
を掴んで
仰反
(
のけぞ
)
つた太吉の顏は、
夥
(
おびたゞ
)
しい出血に、紙よりも白くなつて居ります。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
孟達は、きたなくもまた、逃げ奔ったが、申耽に追いつかれて、武将のもっとも恥とする後ろ
袈裟
(
げさ
)
の一刀を浴びて叫絶一声、ついに馬蹄の下の鬼と化してしまった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「善吉は下谷金杉に小さい店を持っているんですが、それが坂本二丁目の往来で斬られたんです。こいつはわたくしと違って、うしろ
袈裟
(
げさ
)
にばっさりやられてしまいました。」
兜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そういう
不機嫌
(
ふきげん
)
な愚痴の最中に、突然、また快活な様子が騒々しく大
袈裟
(
げさ
)
に現われてくるのであった。するともう、先刻の苦情と同じく、その快活さにも手のつけようがなかった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
佐渡屋は兩替淺草組世話役で、
身上
(
しんしやう
)
はざつと五萬兩。地所や家作も相當で、それに眼をつける惡者があれば隨分大
袈裟
(
げさ
)
なことも
企
(
たく
)
まないとは限りません。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
追い
袈裟
(
げさ
)
摺
(
す
)
り上げ腰車、右へ小手斬り左へ捨て打ち、身をひるがえせば梢斬り! 見る間に血は河となり修羅にのた打つ手負いの数、小気味はよいが目も当てられない。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてついには、わずかな愚痴にもそういう大
袈裟
(
げさ
)
な反響を返されるのにおびえきってる不幸なフォーゲルを、すっかり圧倒してしまったばかりでなく、また自分自身をも圧倒してしまった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と、不平をいいながら、
長刀
(
ながもの
)
で、後ろ
袈裟
(
げさ
)
にあびせた。後詰の三名もたまらなくなって
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平常
(
ふだん
)
から物言いや表情の大
袈裟
(
げさ
)
な女ですが、それにしても、今日は少し様子が変です。
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、家の中も、表も裏も、皆開け放して、二、三ヵ所に、大
袈裟
(
げさ
)
な焚火をしておいた。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎は
白痴
(
こけ
)
が大きな
鯰
(
なまず
)
でも釣つたやうな大
袈裟
(
げさ
)
な顏をするのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
気の毒だが
生命
(
いのち
)
はもらうぞ——だめだだめだ!
鞍馬
(
くらま
)
の竹童ジリジリ二
寸
(
すん
)
や三寸ずつ
後退
(
あとず
)
さりしても、八風斎の
殺剣
(
さつけん
)
がのがすものか、立って逃げればうしろ
袈裟
(
げさ
)
へひと
浴
(
あ
)
びせまいるぞ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「江戸開府以來の殺しは大
袈裟
(
げさ
)
だが——兎も角、行つて見ようか」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は大
袈裟
(
げさ
)
に、自分の耳などをほじつて見せるのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は大
袈裟
(
げさ
)
に身ぶるひなどして見せるのでした。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“袈裟”の意味
《名詞》
(仏教)僧侶が身に付ける法衣。左肩から右脇下にかける長方形の布。
「袈裟掛け」の略。
(出典:Wiktionary)
“袈裟”の解説
袈裟(けさ)とは仏教の僧侶が身につける布状の衣装のことである。梵語で「壊色・混濁色」を意味するカーシャーヤ () を音訳したもの。、、ともいう。
(出典:Wikipedia)
袈
漢検準1級
部首:⾐
11画
裟
漢検準1級
部首:⾐
13画
“袈裟”で始まる語句
袈裟掛
袈裟衣
袈裟法衣
袈裟御前
袈裟斬
袈裟丸
袈裟太郎
袈裟文庫
袈裟切
袈裟治