處女しよぢよ)” の例文
新字:処女
このくすぐつたさを處女しよぢよだとすると、つら/\おもんみるに、媒灼人なかうどをいれた新枕にひまくらが、一種いつしゆの……などは、だれもかないであらうか、なあ、みゝづく。……
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そしてこの牝牛ハダベコは恐らく私が二歳ふたつ年齡としから十六の年齡としになるまで心を惹きつけられた同じ土地のあらゆる處女しよぢよの眼遣ひをして、此の私といふ狹隘で、横着に人間生活を悟りすまし
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
ホンノリ血の色がいて處女しよぢよ生氣せいき微動びどうしてゐるかと思はれる、また其の微動している生氣を柔にひツくるめて生々うい/\しくきよらかな肌の色==花で謂つたら、丁度ちやうど淡紅色の櫻草さくらさうの花に髣髴さもにてゐる
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
またあはれみ給へ、つひに屈したる處女しよぢよ目付めつきを。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
われは處女しよぢよすさまじさを愛す
ぞんじのとほり、品行方正ひんかうはうせいてんは、ともだちが受合うけあふが、按摩あんまいたつては、しかだんじて處女しよぢよである。錢湯せんたうでながしをつても、ばんとうにかたさはらせたことさへない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あはれみ給へ、誘惑せらるる處女しよぢよ目付めつき
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
東雲しのゝめ太陽たいやうめぐみの、宛然さながら處女しよぢよごとく、さわやか薄紅うすくれなゐなるに、難有ありがたや、きつねともらず、たぬきともならず、紳士しんしり、貴婦人きふじんとなり、豪商がうしやうとなり、金鎖きんぐさりとなり、荷物にもつり、おほいなるかばんる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一人ひとり處女しよぢよつた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)