トップ
>
蔭言
>
かげごと
ふりがな文庫
“
蔭言
(
かげごと
)” の例文
始終
蔭言
(
かげごと
)
ばかり言っていた
女房
(
かみさん
)
達、
耐
(
たま
)
りかねて、ちと滝太郎を
窘
(
たし
)
なめるようにと、
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
ってから帰る母親に告げた事がある。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その人は非常の
飲酒家
(
さけのみ
)
でヒマラヤ山中の土民の中でも余程悪い博徒といったような男で、常に私に対して
蔭言
(
かげごと
)
をいい、あれは英国の官吏である
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「君はまだ用があつたのではないか。つひ長居をして、人の
蔭言
(
かげごと
)
まで言つてしまつた。」
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
胸に屈託のあるそぶりはほとんど見えない。近所隣へいった時、たまに省作の
噂
(
うわさ
)
など出たとておとよは色も動かしやしない。かえっておとよさんは薄情だねいなど
蔭言
(
かげごと
)
を聞くくらいであった。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
自分
妾狂
(
めかけぐるい
)
しながら
息子
(
むすこ
)
の
傾城買
(
けいせいがい
)
を
責
(
せむ
)
る人心、あさましき中にも道理ありて、
七
(
しち
)
の所業
誰
(
たれ
)
憎まぬ者なければ、酒
呑
(
のん
)
で居ても
彼奴
(
きゃつ
)
娘の血を
吮
(
す
)
うて居るわと
蔭言
(
かげごと
)
され、
流石
(
さすが
)
の
奸物
(
かんぶつ
)
も
此処
(
ここ
)
面白からず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
二心のある人を害する
蔭言
(
かげごと
)
の
代
(
かわり
)
に、わたしは
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
……村の口の
端
(
は
)
、里の
蔭言
(
かげごと
)
、目も心も真暗になりますと、
先達
(
せんだっ
)
て頃から、神棚、仏壇の前に坐って、目を閉じて拝む時、そのたびに、こう
俯向
(
うつむ
)
く……と、
衣
(
き
)
ものの
縞
(
しま
)
が、我が膝が
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
榮燿
(
ええう
)
に
暮
(
くら
)
すやに
相見
(
あひみ
)
え
候
(
さふらふ
)
、さるにても
下男
(
げなん
)
下女
(
げぢよ
)
どもの
主人
(
しゆじん
)
を
惡
(
あし
)
ざまに
申
(
まを
)
し、
蔭言
(
かげごと
)
を
申
(
まを
)
さぬ
家
(
いへ
)
とては
更
(
さら
)
になく、また
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
相親
(
あひしたし
)
み、
上下
(
しやうか
)
和睦
(
わぼく
)
して
家内
(
かない
)
に
波風
(
なみかぜ
)
なく、
平和
(
へいわ
)
に
目出度
(
めでた
)
きところは
稀
(
まれ
)
に
候
(
さふらふ
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蔭
漢検準1級
部首:⾋
14画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“蔭”で始まる語句
蔭
蔭口
蔭間
蔭日向
蔭乍
蔭様
蔭干
蔭膳
蔭影
蔭身