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萬一
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もしも
それも
夜がねえ
萬一のことが
有つちやと
思ふもんだから
明り
點けてたんだが
其の
所爲か
餘計に
來る
樣で、
薄つ
闇え
明りだからぢつき
側へ
來てからでなくつちや
分んねえし
お
米どん
何とゝ
題を
出されて、
何か
言はせて
笑ふつもりと
惡推をすれば、
私は
知らぬと
横を
向く、
奧樣少し
打笑ひ、
成り
立たねばこそ
今日の
身であろ、
其樣なが
萬一あるなら、あの
打かぶりの
亂れ
髮
謝し奉つらずして此度の病氣
迚も
全快は
覺束なし何卒此上とも我なき
跡の玉之助が事
偏に頼み
參らすると
泪ながらに
述にける感應院は
逐一に承知し玉之助の事は必ず氣に
懸られな
萬一の事あらば拙者が方へ
引取て
世話し
遣すべし左樣の事は
案じず
少も早く全快せられよ夫れには藥用こそ第一なれなど
勸ければ嘉傳次は感應院を