華奢くわしや)” の例文
実際平安朝は表面は衣冠束帯華奢くわしや風流で文明くさかつたが、伊勢物語や源氏物語が裏面をあらはしてゐる通り、十二単衣ひとへでぞべら/\した女どもと
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
又感服した一つは、身に過ぎた華奢くわしやを欲しない儉素な性質の佛蘭西婦人は、概して費用の掛らぬ材料を用ひて、見た目に美しい結果を收めようとする用意が著しい。
巴里の旅窓より (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
又感服した一つは、身に過ぎた華奢くわしやを欲しない倹素な性質の仏蘭西フランス婦人は、概して費用のかゝらぬ材料を用ひて、見た目に美しい結果を収めようとする用意が著しい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さうしてあたまなかで、自分じぶん下宿げしゆくにゐた法科はふくわ大學生だいがくせいが、一寸ちよつと散歩さんぽついでに、資生堂しせいだうつて、みつりの石鹸しやぼん齒磨はみがきふのにさへ、五ゑんぢかくのかねはら華奢くわしやおもうかべた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
洛陽伽藍記らくやうがらんきふ。帝業ていげふくるや、四海しかいこゝに靜謐せいひつにして、王侯わうこう公主こうしゆ外戚ぐわいせきとみすで山河さんがつくしてたがひ華奢くわしや驕榮けうえいあらそひ、ゑんをさたくつくる。豐室ほうしつ洞門どうもん連房れんばう飛閣ひかく
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
臙脂えんじむらさきあかあかと、華奢くわしやのきはみの繪模樣に
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
熱帯の華奢くわしやのきはみを
小曲二十篇 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
すべてに華奢くわしやを好みしとよ。
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
華奢くわしやにほひをきそひげに
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)