草箒くさばうき)” の例文
卯平うへい清潔好きれいずきなのでむつゝりとしながらひとりときには草箒くさばうき土間どまのきしたいてはとりあしつめみだした庭葢にはぶた周圍あたりをもきつけていた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
きはめてせま溝板どぶいたの上を通行の人はたがひに身をなゝめに捻向ねぢむけてちがふ。稽古けいこ三味線しやみせんに人の話声はなしごゑまじつてきこえる。洗物あらひものする水音みづおときこえる。赤い腰巻こしまきすそをまくつた小女こをんな草箒くさばうき溝板どぶいたの上をいてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
たらひけがれた微温湯ぬるまゆうへからつちそゝがれた。さうしてれたにはくつたむしろまたかれた。あさから雨戸あまどはなたれてあるけばぎし/\とうへむしろ草箒くさばうきかれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)