腹部ふくぶ)” の例文
女房にようばうあるとし姙娠にんしんして臨月りんげつちかくなつたら、どうしたものか數日すうじつうち腹部ふくぶ膨脹ばうちやうして一うちにもそれがずん/\とえる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
上着にもたしかに二種の別有り。第一種は普通のフラネル製のシヤツの如く胸部きやうぶより腹部ふくぶけてたてに眞直に合はせ目有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
いま動物どうぶつはそのおほきいしつ天井てんじよういてあつたが、いし凹凸おうとつたくみに利用りようして突出部とつしゆつぶ動物どうぶつ腹部ふくぶとし、くろ褐色かつしよく彩色さいしきをもつていてあつて、それがあり/\とのこつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
とら比較的ひかくてきおろか動物どうぶつで、憤然ふんぜんをどらして、鐵車てつしや前方ぜんぽうから飛付とびついたからたまらない、おそ旋廻圓鋸機せんくわいえんきよきのために、四肢しゝや、腹部ふくぶ引裂ひきさかれて、苦鳴くめいをあげて打斃うちたをれた。もつと狡猾こうくわつなるは猛狒ゴリラである。
「えゝか、ぎつといてるんだぞ」醫者いしやあし怪我人けがにん腹部ふくぶてゝ兩手りやうて挫折ざせつしたつてかうとした。怪我人けがにんおそろしさにわつとこゑはなつていた。醫者いしやめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)