縁者えんじや)” の例文
されば芝居をつくる処、此役者が家はさらなり、親類しんるゐ縁者えんじや朋友はういうよりも人を出し、あるひは人をやとひ芝居小屋場の地所の雪をたひらかにふみかため
原籍を知つて話し合ふと土居中尉の夫人が僕の妻の縁者えんじやである事がわかつて奇遇に驚いた。夫人は一歳の赤ん坊をれて馬来マレイ護謨ごむ栽培をやつて居る良人をつともと健気けなげにも初めて旅行するのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
宜敷御廻おまはり下さるべし是のみ心懸こゝろがかり故縁者えんじや同樣の貴殿きでんなれば此事頼み置なりまた妻子さいしのこともよろしくお世話下せわくだされよと遺言ゆゐごんなし夫よりせがれ吉三郎に向ひ利兵衞殿むすめお菊は其方そなた胎内たいないより云號いひなづけせしに付利兵衞殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
本所ほんじよ狸囃子たぬきばやしと、とほ縁者えんじやく。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
されば芝居をつくる処、此役者が家はさらなり、親類しんるゐ縁者えんじや朋友はういうよりも人を出し、あるひは人をやとひ芝居小屋場の地所の雪をたひらかにふみかため
ばしたれば婚姻こんいんの日は先方より言越いひこし參らば直にしても致せるやうに爲て置たく就ては娘が天窓あたまものおび衣類いるゐ箪笥たんす長持ながもち其外一しき新撰あたらしとゝのへんとは思へども是等に男はやくに立ず然とて親類しんるゐ縁者えんじやとても有らねば萬事ばんじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取りあげ如何にも痩衰やせおとろへたる其體そのてい千辛萬苦の容子ようす自然と面に顯はれたり正直しやうぢきかうべやどり給ふ天神地祇云ずかたら神明しんめい加護かごにや大岡殿夫婦のていいと憐然あはれに思されコリヤ九助其の方は如何なる意趣いしゆ有て親類縁者えんじやたる惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)