絲車いとぐるま)” の例文
新字:糸車
奧山家おくやまが一軒家いつけんやに、たをやかなをんなて、白雪しらゆきいとたに絲車いとぐるまおとかとおもふ。……ゆかしく、なつかしく、うつくしく、心細こゝろぼそく、すごい。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
恍惚うつとりとものおもはしげなかほをしてをなよ/\とわすれたやうに、しづかに、絲車いとぐるま𢌞まはしてました。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うきましたばあさんが一人ひとり爐端ろばた留守るすをして、くらともしで、絲車いとぐるまをぶう/\と、藁屋わらやゆきが、ひらがなで音信おとづれたやうなむかしおもつて、いとつてると、納戸なんど障子しやうじやぶれから
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くのが、身體からだ縁側えんがははしつて、のまゝ納戸なんど絲車いとぐるまうへへ、眞綿まわたひしやいだやうに捻倒ねぢたふされたのを、松原まつばらから伸上のびあがつて、菜畠越なばたけごしに、とほくでて、したいて、かすみがくれの鼻唄はなうた
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)