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竜巻
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たつまき
ふりがな文庫
“
竜巻
(
たつまき
)” の例文
その代り一本の
茶褐色
(
ちゃかっしょく
)
の煙がすーっと立ちのぼり、
轟々
(
ごうごう
)
たる音をたてて
天空
(
てんくう
)
はるかに舞いあがっていく。その有様は、
竜巻
(
たつまき
)
の如くであった。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あたかも大洋上の暴風のように、狂いだつ
栄光
(
グロリア
)
が展開するのを、諸君は見たのだ。強力
暴戻
(
ぼうれい
)
なる意力の
竜巻
(
たつまき
)
が過ぎるのを、諸君は見たのだ。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
みごとな
虹
(
にじ
)
が立ってその下の海面が強く黄色に光って見えた。
右舷
(
うげん
)
の島の上には大きな
竜巻
(
たつまき
)
の雲のようなものがたれ下がっていた。ミラージュも見えた。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それは東南から
煽
(
あお
)
った風が波を捲いて、
竜巻
(
たつまき
)
のように走って来て、この船の横腹にどうと当って砕けたからです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
海豚
(
いるか
)
』『
鯨
(
くじら
)
』『
竜巻
(
たつまき
)
』『
黒潮
(
くろしお
)
』『
海賊
(
かいぞく
)
』『コロンブス』——この六隻はA国海軍が自慢する大潜水艦で、『八島』や『千代田』に負けぬほど強いやつだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
▼ もっと見る
竜は
竜巻
(
たつまき
)
と一緒に昇天するものとされている。その脚や足をチラリとでも見た人は、偉人になると信じられる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
海へ行ってこんどは
竜巻
(
たつまき
)
をやったにちがいないんだ。竜巻はねえ、ずいぶん
凄
(
すご
)
いよ。海のには僕はいったことはないんだけれど、小さいのを沼でやったことがあるよ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
竜巻
(
たつまき
)
だ、と思ううちにも、烈しい風は既に頭上をよぎろうとしていた。まわりの草木がことごとく
慄
(
ふる
)
え、と見ると、その儘引抜かれて空に
攫
(
さら
)
われて行く
数多
(
あまた
)
の樹木があった。
夏の花
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
それは、フローラという緑毛の処女が、そもそも神秘的な存在であるように、黄金郷という名を、聴いただけでさえ、三人は
竜巻
(
たつまき
)
の中に巻き込まれたような気がしたらしい。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
瞬く間に
立蔽
(
たちおお
)
う、
黒漆
(
こくしつ
)
の
屏風
(
びょうぶ
)
一万枚、
電光
(
いなびかり
)
を開いて、風に流す
竜巻
(
たつまき
)
が
馳掛
(
はせか
)
けた、その
余波
(
なごり
)
が、松並木へも、大粒な雨と
諸
(
もろ
)
ともに、ばらばらと、
鮒
(
ふな
)
、
沙魚
(
はぜ
)
などを降らせました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
竜巻
(
たつまき
)
のおそろしさ、潮流を舟で横ぎる時の苦労さ、海で見る月夜のうつくしさ、いろ/\の話をぢいから聞いたものですが、今それらの話を一つ/\してゐることはできません。
海坊主の話
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
暴動は社会の大気中の一種の
竜巻
(
たつまき
)
であって、ある気温の状態によってにわかに起こり、
渦巻
(
うずま
)
きながら、上り、
翔
(
かけ
)
り、とどろき、つかみ取り、こわし、つぶし、砕き、根こぎにし
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
この現象が少し大きくなると、庭先などに出来る小規模な
竜巻
(
たつまき
)
になる。
「茶碗の湯」のことなど
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「メインマストの上のあたりをごらんなさい。なにか黒い大きなものが立っています。
竜巻
(
たつまき
)
かな、いや竜巻じゃない」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二人の友はたえず愉快に仕事をした。
頬
(
ほお
)
の
蒼
(
あお
)
い
痩
(
や
)
せぎすのオリヴィエも、力のうちに浸っていた。彼らの屋根裏の室には喜悦の
竜巻
(
たつまき
)
が吹き過ぎていた……。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして時々大きな渦ができ、それがちょうど
竜巻
(
たつまき
)
のようなものになって、地面から何尺もある、高い柱の形になり、非常な速さで回転するのを見ることがあるでしょう。
茶わんの湯
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
荒れに荒れた海流が二十
浬
(
かいり
)
以上のはやさで、湾の内へ流れこんでいるではないか。そして水門のあたりには
竜巻
(
たつまき
)
のような水煙が、もうもうとしてたちこめているではないか。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
「いやいや、そのご
謙遜
(
けんそん
)
は恐れ入ります。早速
竜巻
(
たつまき
)
に云いつけて天上にお送りいたしましょう。お帰りになりましたらあなたの王様に海蛇めが
宜
(
よろ
)
しく申し上げたと
仰
(
お
)
っしゃって下さい。」
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
疾駆する鳥のように、それは樹木の
梢
(
こずえ
)
に吹きつけて波打たした。
竜巻
(
たつまき
)
に包まれて通りゆくミケランジェロの神のようだった。それはクリストフの頭の上を通っていった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
まっ赤な水柱が、
竜巻
(
たつまき
)
のように『最上』の行手をさえぎった。敵の逆襲である。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
濛々
(
もうもう
)
たる怪しき白い霧、赤い霧、青い霧、そのほかいろいろが、
竜巻
(
たつまき
)
のような形であらわれ、ゆらゆらと
揺
(
ゆ
)
れているのを面白がっている間に、いつしか部屋の中は一面の霧の海と
化
(
か
)
してしまって
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
竜巻
(
たつまき
)
についてもかなり正しい観察と、真に近い考察がある。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“竜巻”の解説
竜巻(たつまき、英語、ドイツ語、スペイン語:Tornado)は、積乱雲の下で雲から地上へと細長く延びる高速な渦巻き状の上昇気流。トルネードとも呼ばれる。ハリケーンや台風と混同されやすいが、それらとは全く異なる。
竜の字があてられることが一般的であるが、1930年代の新聞記事では旧字体を用いて龍巻とする例も見受けられる。
(出典:Wikipedia)
竜
常用漢字
中学
部首:⽴
10画
巻
常用漢字
小6
部首:⼰
9画
“竜”で始まる語句
竜
竜胆
竜宮
竜頭
竜舌蘭
竜動
竜神
竜燈
竜泉寺
竜華寺