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きゆう
「
既に
頭の
中に、さう
仕樣と
云ふ
下心があるから
不可ないのです」と
宜道が
又云つて
聞かした。
宗助は
愈窮した。
忽然安井の
事を
考へ
出した。
つくすとも
饜るべき
奴ならずと
冷凍る
拳握りつめて
當處もなしに
睨みもしつ
思ひ
返せばそれも
愚痴なり
恨みは
人の
上ならず
我れに
男らしき
器量あらば
是れ
程までには
窮しもすまじアヽと
歎ずれば
吐く
息しろく
見えて
身を
と
眞面目に
悦の
言葉を
述べたので、
宗助も
御米も
少し
挨拶に
窮した。