“窮(きゆう)” の例文
「既(すで)に頭(あたま)の中(なか)に、さう仕樣(しやう)と云(い)ふ下心(したごゝろ)があるから不可(いけ)ないのです」と宜道(ぎだう)が又(また)云(い)つて聞(き)かした。宗助(そうすけ)は愈(いよ/\)窮(きゆう)した。忽然(こつぜん)安井(やすゐ)の事(こと)を考(かんが)へ出(だ)した。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つくすとも饜(あきた)るべき奴(やつ)ならずと冷凍(ひえこほ)る拳(こぶし)握(にぎ)りつめて當處(あてど)もなしに睨(にら)みもしつ思(おも)ひ返(かへ)せばそれも愚痴(ぐち)なり恨(うら)みは人(ひと)の上(うへ)ならず我(わ)れに男(をとこ)らしき器量(きりやう)あらば是(こ)れ程(ほど)までには窮(きゆう)しもすまじアヽと歎(たん)ずれば吐(つ)く息(いき)しろく見(み)えて身(み)を
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と眞面目(まじめ)に悦(よろこび)の言葉(ことば)を述(の)べたので、宗助(そうすけ)も御米(およね)も少(すこ)し挨拶(あいさつ)に窮(きゆう)した。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)