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種彦
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たねひこ
ふりがな文庫
“
種彦
(
たねひこ
)” の例文
『我楽多文庫』は第十号から
京伝
(
きょうでん
)
馬琴
種彦
(
たねひこ
)
らの作者の印譜散らしの立派な表紙が付き、体裁も整った代りに幾分か市気を帯びて来た。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
作のよしあしは別として好き、きらひ、贔屓、不贔屓はかまはないでせう。西鶴も贔屓でない、贔屓なのは京伝と、三馬、
種彦
(
たねひこ
)
なぞです。
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
豊国の弟子だったから、豊国の描いたものや、古い絵だの古本だの沢山あった。
種彦
(
たねひこ
)
がよこした下絵の草稿もどっさりあった。
旧聞日本橋:22 大門通り界隈一束(続旧聞日本橋・その一)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私はもう芝居も知り草双紙にも親しんだが、かの間室から貰った草双紙の綴じたのの中に、
種彦
(
たねひこ
)
が書いた『
女金平草紙
(
おんなきんぴらぞうし
)
』というのがあった。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
種彦
(
たねひこ
)
の小説『
田舎源氏
(
いなかげんじ
)
』の
挿絵
(
さしえ
)
並
(
ならび
)
にその
錦絵
(
にしきえ
)
は共に国貞の描く所にして
今日
(
こんにち
)
なほ世人に喜ばる。『田舎源氏』は国貞が晩年の画風を
窺
(
うかが
)
ふべき好標本たり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
私の家は商家だったが、旧家だったため、草双紙、読本その他
寛政
(
かんせい
)
、
天明
(
てんめい
)
の
通人
(
つうじん
)
たちの作ったもの、
一九
(
いっく
)
、
京伝
(
きょうでん
)
、
三馬
(
さんば
)
、
馬琴
(
ばきん
)
、
種彦
(
たねひこ
)
、
烏亭焉馬
(
うていえんば
)
などの本が沢山にあった。
明治十年前後
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
種彦
(
たねひこ
)
の
合巻物
(
ごうかんもの
)
を読んでいた親爺も、碁と将棋をちゃんぽんにやっていた親爺も、それの岡目をしていた親爺も、昼寝をしていた親爺も、そこに集まる親爺という親爺が
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
種彦
(
たねひこ
)
の『
用捨箱
(
ようしゃばこ
)
』巻上に、ある島国にていと暗き夜、鬼の遊行するとて戸外へ出でざる事あり。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
京伝
(
きょうでん
)
や
種彦
(
たねひこ
)
のいくつかの著述は先駆であって、同じ態度を一段と精透に、進めて行ったのが
喜多村節信
(
きたむらのぶよ
)
、すなわち『
嬉遊笑覧
(
きゆうしょうらん
)
』『
画証録
(
がしょうろく
)
』『
筠庭雑考
(
いんていざっこう
)
』などの著者である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
我
(
わが
)
曲亭、
種彦
(
たねひこ
)
などに此流義ありて、外國にては、中古の物語類はいふも更なり、スモオレツト、フイヽルヂングなど此派に屬し、スコツト、ヂツケンスといへども間々これに近し。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「又
種彦
(
たねひこ
)
の何か新版物が、出るさうでございますな。いづれ優美第一の、哀れつぽいものでございませう。あの
仁
(
じん
)
の書くものは、種彦でなくては書けないと云ふ所があるやうで。」
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
京伝
(
きょうでん
)
一九
(
いっく
)
春水
(
しゅんすい
)
種彦
(
たねひこ
)
を始めとして、
魯文
(
ろぶん
)
黙阿弥
(
もくあみ
)
に至るまで、少くとも日本文化の過去の誇りを残した人々は、皆おのれと同じようなこの日本の家の寒さを知っていたのだ。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「また
種彦
(
たねひこ
)
の何か新版物が、出るそうでございますな。いずれ優美第一の、哀れっぽいものでございましょう。あの
仁
(
じん
)
の書くものは、種彦でなくては書けないというところがあるようで。」
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ツマリ当時の奇人連中は、
京伝
(
きょうでん
)
馬琴
(
ばきん
)
の一面、下っては
種彦
(
たねひこ
)
というような人の、耽奇の趣味を体得した人であったので、観音堂の傍で耳の
垢取
(
あかと
)
りをやろうというので、道具などを作った話もあります。
諸国の玩具:――浅草奥山の草分――
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
『
偐紫田舎源氏
(
にせむらさきいなかげんじ
)
』の
版元
(
はんもと
)
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
の
地本問屋
(
じほんどんや
)
鶴屋
(
つるや
)
の
主人
(
あるじ
)
喜右衛門
(
きうえもん
)
は先ほどから
汐留
(
しおどめ
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
に
行燈
(
あんどう
)
を
掛
(
かけ
)
ならべた
唯
(
と
)
ある
船宿
(
ふなやど
)
の二階に
柳下亭種員
(
りゅうかていたねかず
)
と名乗った
種彦
(
たねひこ
)
門下の若い
戯作者
(
げさくしゃ
)
と二人ぎり
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
徳川幕府の有司は
京伝
(
きょうでん
)
を罰し、
種彦
(
たねひこ
)
春水
(
しゅんすい
)
の罪を糾弾したが、西行と芭蕉の書の
汎
(
あまね
)
く世に行われている事には更に注意するところがなかった。酷吏の眼光はサーチライトの如く鋭くなかったのだ。
冬日の窓
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一同は
種彦
(
たねひこ
)
の語った最前の話に百年の憂苦を
一朝
(
いっちょう
)
にして忘れ得た思い。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
彦
漢検準1級
部首:⼺
9画
“種”で始まる語句
種々
種
種子
種類
種種
種痘
種子島
種族
種板
種蒔