私立しりつ)” の例文
「僕はせっかくはいった府立から私立しりつへ移るのがいやですけれど、お殿様のおぼしめしなら仕方ありません。忠義をつくします」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
れが私立しりつぼけ生徒せいとといはれゝばおまへこと同然どうぜんだから、後生ごせうだ、どうぞ、たすけるとおもつて大萬燈おほまんどう振廻ふりまわしておくれ、れはしんからそこから口惜くやしくつて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひさしくわづらつたり、あめ降續ふりつゞいたり、窮境きうきやうてられない憂目うきめふなんどの場合ばあひには、教師けうしなさけ手當てあてることさへある、ゐんといふが私立しりつ幼稚園えうちゑんをかねた小學校せうがくかう通學つうがくするので。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
長吉ちようきち門前もんぜん産聲うぶごゑげしものと大和尚夫婦だいおしようふうふ贔屓ひゐきもあり、おな學校がくかうへかよへば私立しりつ私立しりつとけなされるもこゝろわるきに、元來ぐわんらい愛敬あいけうのなき長吉ちようきちなればこゝろから味方みかたにつくものもなきあはれさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こゝろ一ぱいにがまゝをとほしてはぬはゞをもひろげしが、表町おもてまち田中屋たなかや正太郎しようたらうとてとしれに三つおとれど、いへかねあり愛嬌あいけうあればひとくまぬたうかたきあり、れは私立しりつ學校がくかうかよひしを
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)