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破目
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やぶれめ
ふりがな文庫
“
破目
(
やぶれめ
)” の例文
それで私は
想当
(
おもいあた
)
ってる事があるから
昨日
(
きのう
)
お源さんの留守に障子の
破目
(
やぶれめ
)
から
内
(
なか
)
をちょいと
覗
(
のぞ
)
いて見たので御座いますよ。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
畳はどんなか知らぬが、部屋一面に
摩切
(
すりき
)
れた縁なしの
薄縁
(
うすべり
)
を敷いて、ところどころ布片で、
破目
(
やぶれめ
)
が綴くってある。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
何しろ、
泣悲
(
なきかなし
)
むというは、一通りの事ではない。気にもなるし、案じられもする……また怪しくもあった。ですから、悪いが、
密
(
そっ
)
と寄って、そこで障子の
破目
(
やぶれめ
)
から——
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私たち二人は
三田通
(
みたどおり
)
に沿う
外囲
(
そとがこい
)
の
溝
(
どぶ
)
の
縁
(
ふち
)
に
立止
(
たちどま
)
って何処か
這入
(
はい
)
りいい処を見付けようと思ったが、板塀には少しも
破目
(
やぶれめ
)
がなく溝はまた広くてなかなか飛越せそうにも思われない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
待合の
襖
(
ふすま
)
の紙が
蟹
(
かに
)
のような形に破れているのを見付けると
延
(
のば
)
した足の拇指を曲げて、
件
(
くだん
)
の
破目
(
やぶれめ
)
を
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
霰……横の古襖の
破目
(
やぶれめ
)
で真暗な天井から、ぽっと
燈明
(
あかり
)
が映ります。寒さにすくんで鼠も鳴かない、人ッ子の居ない二階の、
階子段
(
はしごだん
)
の上へ、すっとその二人の
婦
(
おんな
)
が立ちました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
という時、二枚
立
(
だて
)
のその障子の引手の
破目
(
やぶれめ
)
から
仇々
(
あだあだ
)
しい目が二ツ、頬のあたりがほの見えた。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見る/\
裡
(
うち
)
に、べら/\と紙が
剥
(
は
)
げ、桟が
吹
(
ふ
)
ツ
消
(
け
)
されたやうに、ありのまゝで、障子が
失
(
う
)
せると、
羽目
(
はめ
)
の
破目
(
やぶれめ
)
にまで其の光が
染
(
し
)
み込んだ、一坪の泉水を
後
(
うしろ
)
に、
立顕
(
たちあらわ
)
れた
婦人
(
おんな
)
の姿。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
跣足
(
はだし
)
で田舎の、
山近
(
やまぢか
)
な町の
暗夜
(
やみよ
)
を
辿
(
たど
)
る
風情
(
ふぜい
)
が、雨戸の
破目
(
やぶれめ
)
を
朦朧
(
もうろう
)
として
透
(
す
)
いて見えた。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
体
(
てい
)
は……薄汚れた青竹の
太杖
(
ふとづえ
)
を突いて、
破目
(
やぶれめ
)
の目立つ、蒼黒い道服を
着
(
ちゃく
)
に及んで、
丈
(
せい
)
高う
跳
(
のさ
)
ばって、天上から
瞰下
(
みおろ
)
しながら、ひしゃげた腹から野良声を振絞って、道教うる仙人のように見えた。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
台
(
うてな
)
を頂く日に二十を下らず、
蓋
(
けだ
)
し、春寒き朝、めづらしき早起の折から、女形とともに
道芝
(
みちしば
)
の霜を分けてお
濠
(
ほり
)
の土手より得たるもの、根を掘らんとして、袂に火箸を忍ばせしを、羽織の袖の
破目
(
やぶれめ
)
より
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
法衣
(
ころも
)
の
破目
(
やぶれめ
)
を
潜
(
くゞ
)
らす
如
(
ごと
)
く、
懐
(
ふところ
)
から
抜
(
ぬ
)
いて、ポーンと
投出
(
なげだ
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“破目”で始まる語句
破目板
破目山