物好ものず)” の例文
それは決して鼠が昔話の中に、どうして入り込んで来たかというような物好ものずきなまたどうだってもよい問題に答えることではない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
さりながら不意の援兵はあてにならず。書生連中二、三人物好ものずきにも大原の依頼を受けて小間物屋へおもむきしが途中にて相談を始め
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
れほどの物好ものずきなれば手出てだしを仕樣しやうぞ、邪推じやすゐ大底たいていにしていてれ、あのことならば清淨しようじよう無垢むく潔白けつぱくものだと微笑びようふくんで口髭くちひげひねらせたまふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
またこの不思議ふしぎいしをよせあつめる物好ものずきなひとがあつて、なかにずいぶんたくさんあつめたひともありました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それはこの短い波長の無線電信の放送受信を始めてから四十日ほども経ったころには、流石物好ものずきからやり出した僕といえども、少々この「永遠えいえんなしつぶて」にはきて来ました。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
いか、それへやうとふからには、ほたるほしちりやまつゆ一滴いつてきと、大海だいかいうしほほど、抜群ばつぐんすぐれた立優たちまさつたものでいからには、なにまた物好ものずきに美女びぢよ木像もくざうへやう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私ジプシイのごろつきに會つて參りましたわ。あの女はあり來りの型通りの手相てさうを覺えてきて、そんな人達の云ひさうなことを私に云ひました。私の物好ものずきもこれで滿足いたしました。
物好ものずきな人間にんげんもあるものですね……。」と、きつねは、いった。
風と木 からすときつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
空襲見物では、あまりに物好ものずきである。彼は、自分のことはたなに上げて、そう思った。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)