炎熱えんねつ)” の例文
彼はその三日の間を、宿の一室で暮したものの、その間の活躍ぶりは、炎熱えんねつくがごとき外に出でて毎日二十キロの道を走るよりも数倍激烈なものであった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宗助そうすけ東京とうきやうかへつたときは、ちゝもとよりまだ丈夫ぢやうぶであつた。小六ころく子供こどもであつた。かれは一ねんぶりにさかんなみやこ炎熱えんねつ煤煙ばいえん呼吸こきふするのをかへつてうれしくかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
大抵たいていのひとが暑さにかまけて、昼寝ひるねでもしているか、すずしい船室を選んで麻雀マアジャンでもたたかわしているのに、ぼくは炎熱えんねつけるような甲板の上ででも、あなたや内田さんと、デッキ・ゴルフや
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
しかいま塲合ばあひなにはずに辛抱しんばうしてつたが、印度洋インドやう炎熱えんねつが、始終しじう其上そのうへやうてらしてるのだからたまらない、その晝食ちうしよくとき一口ひとくちくちにした無邪氣むじやき少年せうねんは、たちまそのにく海上かいじやうして
かぶとをこがす炎熱えんねつ
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)