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滋
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しげ
ふりがな文庫
“
滋
(
しげ
)” の例文
草がからだを
曲
(
ま
)
げて、パチパチ
云
(
い
)
ったり、さらさら鳴ったりしました。霧が
殊
(
こと
)
に
滋
(
しげ
)
くなって、
着物
(
きもの
)
はすっかりしめってしまいました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
滋
(
しげ
)
くなって来た雨の音を
聴
(
き
)
きながら、心の穏やかでなかった庸三は、うとうと
微睡
(
まどろ
)
んだと思うと目がさめたりして、そこに
侘
(
わび
)
しい一夜を過ごした。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
香のする花の咲き軟かな草の
滋
(
しげ
)
つて居る広野を
愉快
(
たのし
)
げに
遊行
(
ゆきやう
)
したところ、水は大分に夏の初め故
涸
(
か
)
れたれど猶清らかに流れて岸を洗ふて居る大きな川に
出逢
(
いであ
)
ふた
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかして賄賂の行わるるは、選挙を不真面目にするのみならず、後には選挙を自己の特権とするの観念を弱め、結果が更に原因をなして、ますます選挙界の腐敗を
滋
(
しげ
)
くする。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
仮令
(
たとい
)
、晴天はなくとも、風静かにして雨
滋
(
しげ
)
き国は何処かにないであろうか。若しあれば、その国に移り住んで、僕は再び前世の蛙か田螺に
還元
(
かえ
)
る憧憬と勇気とを持ち合せている。
雨の日
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
▼ もっと見る
静かに立ちてあれば、
吾
(
わが
)
側
(
そば
)
なる桑の葉、
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の葉は、
月光
(
げつくわう
)
を浴びて
青光
(
あおびか
)
りに光り、
棕櫚
(
しゆろ
)
はさや/\と月に
囁
(
さゝ
)
やく。虫の
音
(
ね
)
滋
(
しげ
)
き草を踏めば、
月影
(
つきかげ
)
爪先
(
つまさき
)
に散り行く。露のこぼるゝなり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
時に、残月、光
冷
(
ひや
)
やかに、白露は地に
滋
(
しげ
)
く、樹間を渡る冷風は既に暁の近きを告げていた。人々は最早、事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の
薄倖
(
はっこう
)
を嘆じた。李徴の声は再び続ける。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
然し概して言えば初冬の野の景色はしみじみと面白いものである。霜の色の
蒼白
(
あおじろ
)
さは雪よりも
滋
(
しげ
)
くて切ない趣がある。それとは反対に霜どけの土の色の深さは初夏の雨上りよりも
快濶
(
かいかつ
)
である。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
雲の如く胸に湧き、祈念の珠數にはふり落つる懷舊の涙のみ
滋
(
しげ
)
し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
雪解くるささやき
滋
(
しげ
)
し
小笹原
(
おざさはら
)
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
それはさっと琥珀から黄金に
変
(
かわ
)
りまた
新鮮
(
しんせん
)
な
緑
(
みどり
)
に
遷
(
うつ
)
ってまるで雨よりも
滋
(
しげ
)
く
降
(
ふ
)
って来るのでした。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
香
(
かお
)
りのする花の咲き軟らかな草の
滋
(
しげ
)
って居る
広野
(
ひろの
)
を
愉快
(
たのし
)
げに
遊行
(
ゆぎょう
)
したところ、水は大分に夏の初めゆえ
涸
(
か
)
れたれどなお清らかに流れて岸を洗うて居る大きな川に出で逢うた
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お島が
楽
(
たのし
)
みにして世話をしていた植木畠や
花圃
(
はなばた
)
の床に、霜が段々
滋
(
しげ
)
くなって、
吹曝
(
ふきさら
)
しの一軒家の軒や羽目板に、或時は寒い
山颪
(
やまおろし
)
が、
凄
(
すさま
)
じく木葉を吹きつける冬が町を見舞う頃になると
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
春雨の音
滋
(
しげ
)
き中今我あり
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
霧がことに
滋
(
しげ
)
くなって、着物はすっかりしめってしまいました。
風の又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
霧が殊に
滋
(
しげ
)
くなって、着物はすっかりしめってしまひました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
滋
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
“滋”を含む語句
滋養
滋味
滋賀
滋賀津彦
滋養物
滋子
滋蔓
滋養浣腸
滋野
滋幹
滋養分
松滋
滋雨
滋賀石庵
滋野井
滋野井実在
滋潤
滋養剤
滋養食
滋養麺麭
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