そは)” の例文
養女やうぢよもらひ受け傳吉にそはせることに取極め翌日は吉日なればとて上臺じやうだい憑司其他の人を打招うちまねき與惣次を舅入しうといり一所にして首尾能く婚姻なしける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
子を生みし後も宮が色香はつゆうつろはずして、おのづか可悩なやまし風情ふぜいそはりたるに、つまが愛護の念はますます深く、ちようは人目の見苦みぐるしきばかりいよいくははるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
尊父をぢさん、尊母をばさんの心にもなつて見たら、今の私にはそはされないのは、決して無理の無いところで、子を念ふ親のじようは、何処どこの親でも差違かはりは無い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
御覽ごらん大概おほよそさつしられ如何いかきく此越前守このゑちぜんのかみ媒酌なかうどとなりやがて吉三郎にそはつかはすべし隨分ずゐぶん安堵あんどしてよとやはらかに言れければ吉三郎もそばよりお菊殿きくどの何故なにゆゑに明白に云給いひたまは御身おんみまでかくされては我等われら何時いつ御免おゆるし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
庭の風情ふぜいそはりけれど、軒端のきばなる芭蕉葉ばしようば露夥つゆおびただしく夜気の侵すにへで、やをら内に入りたる貫一は、障子をててあかうし、ことさらに床の間の置時計を見遣りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)