)” の例文
それを火からおろして菓物のシロップならば大匙二杯位加えますしレモンの絞汁しぼりじるならやっぱり二杯位ですがレモンなら小匙に一杯半位です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それで周三は、毎日まいにち畫架ぐわかに向ツて歎息ばかりしてゐながら、定期ていきの時間だけちやんと畫室に入ツて、バレツトにテレビン繪具ゑのぐ捏返ねりかへしてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
テレビンで汚れた黒いきれ沢山たくさん落ちて居るこの狭い室が世界の帝王さへも神の様に思つて居るロダン先生の製作室だとははひつてしばらくの間自分には思はれなかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
伊藤君のはからひで、近くの茶屋からはサイダーなぞをそこへ運んで來てくれた。城崎のとうやの若主人はそこまでも私達を案内して來て、一緒に腰かけて休んだ。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
風が吹く、土が飛ぶ、霜がえる、水が荒い。四拍子そろって、妻の手足は直ぐひび、霜やけ、あかぎれに飾られる。オリーヴやリスリンをった位では、血が止まらぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「おい、大急ぎだ。兵営の普請に足りなくなったからテレピンを工場から買って来てれ。そら、あすこにある車をひいてね、四くわんだけ、この名刺を持って行くんだ。」
(新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
飲んでみると名状の出来ぬ芳烈な香気が鼻と咽喉のどを通じて全身にみなぎるのであった。何というものかと聞くと、レモンというものだと教えられた。今のレモン・エッセンスであったのである。
重兵衛さんの一家 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一夕いっせきともさえ、あったりなかったりで
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私達の泊つた宿は、とうやといつて、土地でも舊い家柄と聞く。偶然にも一夜の客となつて見て、私達はそこの老主人から京都方面との交通の多かつた時代のことを聞かせられた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
私はテレピンいたあとのグリインの浸染にじんだてのひらを開いて良人をつとに見せました
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
俺は何うだ、繪具とテレビンとに氣を腐らして、年中ねんぢゆう齷齪あくせくしてゐる………それも立派な作品でも出來ればだが、ま、覺束おぼつかない。そりや孑孑ぼうふらどぶの中でうよ/\してゐるのよ、だが、俺は人間だ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とうやの若主人は、香住まで案内しようといつてくれるので、この暑さに氣の毒とは思つたが、その言葉に從つた。そこで、三人して香住に向つた。城崎から香住までは里數にしても僅かしかない。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
酒と、テレピンとが