くるま
ハーシュは籠を頭に載っけて午前中町かどに立ってゐましたがどう云ふわけか一つも仕事がありませんでした。呆れて籠をおろして腰をかけ弁当をたべはじめましたら一人の赤髯の男がせはしさうにやって来ました。 「おい、大急ぎだ。兵営の普請に足りなくなった …
題名が同じ作品
(新字新仮名)寺田寅彦 (著)