-
トップ
>
-
横丁
>
-
よこちやう
場所は
山下の
雁鍋の少し先に、
曲る
横丁がありまする。
彼の
辺に
明治の
初年まで
遺つて
居つた、
大仏餅と
云ふ
餅屋がありました。
A
仕樣がないなア。ぢや
説明してやる。よく
寄席で
落語家がやるぢやないか。
横丁の
隱居が
熊さん八さんに
發句を
教へる
話だ。
魚勝と
云ふ
肴屋の
前を
通り
越して、
其五六
軒先の
露次とも
横丁とも
付かない
所を
曲ると、
行き
當りが
高い
崖で、
其左右に四五
軒同じ
構の
貸家が
並んでゐる。
宗助の
家は
横丁を
突き
當つて、
一番奧の
左側で、すぐの
崖下だから、
多少陰氣ではあるが、
其代り
通りからは
尤も
隔つてゐる
丈に、まあ
幾分か
閑靜だらうと
云ふので、
細君と
相談の
上