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よこちやう
そこ
此処に二三
軒今戸焼を売る店にわづかな特徴を見るばかり、
何処の
場末にもよくあるやうな低い
人家つゞきの
横町である。
勢の
自然と言つては
堅過ぎるが、
成程江戸時代から
考へて見ても、
湯屋と
与太郎とは
横町の
方が
語呂がいゝ。(十八日)
魚勝と
云ふ
肴屋の
前を
通り
越して、
其五六
軒先の
露次とも
横丁とも
付かない
所を
曲ると、
行き
當りが
高い
崖で、
其左右に四五
軒同じ
構の
貸家が
並んでゐる。
宗助の
家は
横丁を
突き
當つて、
一番奧の
左側で、すぐの
崖下だから、
多少陰氣ではあるが、
其代り
通りからは
尤も
隔つてゐる
丈に、まあ
幾分か
閑靜だらうと
云ふので、
細君と
相談の
上