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案排
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あんばい
ふりがな文庫
“
案排
(
あんばい
)” の例文
彼は「好い
案排
(
あんばい
)
に空模様が直って来ました。これじゃ日がかんかん照るよりかえって結構です。船遊びには持って来いという御天気で」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水車
(
みづぐるま
)
は
川向
(
かはむかふ
)
にあつて
其
(
その
)
古
(
ふる
)
めかしい
處
(
ところ
)
、
木立
(
こだち
)
の
繁
(
しげ
)
みに
半
(
なか
)
ば
被
(
おほ
)
はれて
居
(
ゐ
)
る
案排
(
あんばい
)
、
蔦葛
(
つたかづら
)
が
這
(
は
)
ひ
纏
(
まと
)
ふて
居
(
ゐ
)
る
具合
(
ぐあひ
)
、
少年心
(
こどもごころ
)
にも
面白
(
おもしろ
)
い
畫題
(
ぐわだい
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
たのである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「そして、之こそ、一年の大部分が冬である北国の植物にも、極く短い春と夏の間に大急ぎで花を咲かせ実を結ばせる・あの自然の巧みな
案排
(
あんばい
)
の一つなのだ」
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
何だか同じ路を往ったり来たりするような
案排
(
あんばい
)
で、あんまり、もどかしものだから、壁へ頭をぶつけて割っちまいたくなった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水車は
川向
(
かわむこう
)
にあってその古めかしい処、
木立
(
こだち
)
の
繁
(
しげ
)
みに半ば
被
(
おお
)
われている
案排
(
あんばい
)
、
蔦葛
(
つたかずら
)
が
這
(
は
)
い
纏
(
まと
)
うている具合、
少年心
(
こどもごころ
)
にも面白い画題と心得ていたのである。
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
その
後
(
あと
)
で
胸算用
(
むなざんよう
)
でもする
案排
(
あんばい
)
しきで、指を折って見たり、ただ
考
(
かん
)
がえたりしていたが、やがてまた
綺麗
(
きれい
)
な指で例の文銭を新らしく並べ
更
(
か
)
えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「しかし今日は好い
案排
(
あんばい
)
に暖かいね。
母上
(
おっかさん
)
でも今日は大丈夫だろう」と両手を伸して
大欠伸
(
おおあくび
)
をして
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「好い
案排
(
あんばい
)
ね、風が無くなって。昼間のように吹かれると、家に坐っていても何だか気味が悪くってしようがないわ」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
好
(
い
)
い
案排
(
あんばい
)
ね、
風
(
かぜ
)
が
無
(
な
)
くなつて。
晝間
(
ひるま
)
の
樣
(
やう
)
に
吹
(
ふ
)
かれると、
家
(
うち
)
に
坐
(
すわ
)
つてゐても
何
(
なん
)
だか
氣味
(
きみ
)
が
惡
(
わる
)
くつて
仕樣
(
しやう
)
がないわ」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
根治は
覚束
(
おぼつか
)
ないと宣告されたので、平岡も驚ろいて、出来るだけ養生に手を尽した
所為
(
せい
)
か、一年ばかりするうちに、
好
(
い
)
い
案排
(
あんばい
)
に、元気がめっきりよくなった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ車夫
体
(
てい
)
の男が一人縁側に腰を懸けて烟草を
呑
(
の
)
んでいた。聞いてみると、
先刻
(
さっき
)
一返
御出
(
おいで
)
になりましたが、この
案排
(
あんばい
)
じゃ、どうせ
午過
(
ひるすぎ
)
だろうって又御帰りになりましたという答である。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてこの取捨は我々の注意(故意もしくは自然の)に伴って決せられるのでありますから、この注意の向き
案排
(
あんばい
)
もしくは向け具合がすなわち態度であると申しても
差支
(
さしつかえ
)
なかろうと思います。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
好
(
い
)
い
案排
(
あんばい
)
に、元気が
滅切
(
めつき
)
りよくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は「いい
案排
(
あんばい
)
でした」と答えた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
案
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
排
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“案”で始まる語句
案
案山子
案内
案外
案内者
案配
案内人
案事
案内役
案主