旅店りよてん)” の例文
旅店りよてんわかしう押返おしかへすやうにおまをしてはりますが、手足てあしつてお肯入きゝいれなく、くつ蹴飛けとばしていらツしやいます。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝろようなづいて、北陸地方ほくりくちはう行脚あんぎやせつはいつでもつゑやすめる香取屋かとりやといふのがある、もと一軒いつけん旅店りよてんであつたが、一人女ひとりむすめ評判ひやうばんなのがなくなつてからは看板かんばんはづした
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ木曾きそ棧橋かけはしを、旅店りよてんの、部屋々々へや/″\障子しやうじ歩板あゆみいたかべつてわたつてた……それ風情ふぜいである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
実際じつさいなら奇蹟きせきであるから、ねんのためと、こゝで、翌日よくじつ旅店りよてん主人あるじいたのが、……くだん青石あをいし薄紫うすむらさきすぢはいつた、あたか二人ふたりいた座蒲団ざぶとんるとそれであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とまおほうて、すゝきなびきつゝ、旅店りよてんしづかに、せみかない。
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)