散藥さんやく)” の例文
新字:散薬
たゝみまであつくなつた座敷ざしき眞中まんなか胡坐あぐらいて、下女げぢよつて樟腦しやうなうを、ちひさな紙片かみぎれけては、醫者いしやれる散藥さんやくやうかたちたゝんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ昨夕ゆうべ御米およね散藥さんやくんでから以後いご時間じかんゆびつて勘定かんぢやうした。さうしてやうや不安ふあんいろおもてあらはした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
枕元まくらもと朱塗しゆぬりぼん散藥さんやくふくろ洋杯こつぷつてゐて、その洋杯こつぷみづ半分はんぶんのこつてゐるところあさおなじであつた。あたまとこはうけて、ひだりほゝ芥子からしつた襟元えりもとすこえるところあさおなじであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)