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手腕
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うで
ふりがな文庫
“
手腕
(
うで
)” の例文
それを知りながら福村が賞讃をあえてするところを見ると、ともかく、よくよくあの女の
手腕
(
うで
)
に感心したものがあればこそと思われる。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
然も
設計予算
(
つもりがき
)
まで
既
(
はや
)
做
(
な
)
し出して我眼に入れしも四五日前なり、
手腕
(
うで
)
は彼とて鈍きにあらず、人の
信用
(
うけ
)
は遥に十兵衞に超たり。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
山城守をはじめ一同は息を
凝
(
こ
)
らして、長庵の
手腕
(
うで
)
によって幸吉が意識を
恢復
(
かいふく
)
し、ふたたび口をひらくのを待っている——。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
……立派な
手腕
(
うで
)
を持つておありだし、伯父さんの代からの
花主
(
とくい
)
はたんとお有りだらうし、こころを入れ換へてさ。
もつれ糸
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
しかも弴さんの冴えた
手腕
(
うで
)
を推稱して、現代並びなきものとして居られるのは、かくれもない事實である。
貝殻追放:017 泉鏡花先生と里見弴さん
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
かみゆひさんの
手腕
(
うで
)
を見せた
藝妓島田
(
げいこしまだ
)
が揃つて——三ヶ日過ぎると、恰好のいいつぶし島田にザングリ結つたのも
交
(
まじ
)
つて、透き通るやうな
笄
(
かうがい
)
を一本、グツと揷したのが
春
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
非常な美人で、社交界の花形であるばかりでなく、社会事業家としても相当の
手腕
(
うで
)
を
有
(
も
)
っているので、××次官の夫伯爵よりも、反って彼女の方が世間からは知られている。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
で、自分は自分の標準に依って訳する丈けの
手腕
(
うで
)
がないものと諦らめても見たが、併しそれは決して本意ではなかったので、其の
後
(
のち
)
とても長く形の上には、此の方針を取っておった。
余が翻訳の標準
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
他の俳優といふのは壯士俳優の三流ぐらゐなところから、
手腕
(
うで
)
のあるのをすぐつて來た群れであつた。その中からこの脚本に現はれた人物に扮する樣に定められた男が二人ほどあつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
私はそれを
聴
(
き
)
くと
一時
(
ひととき
)
に
手腕
(
うで
)
が
痲痺
(
しび
)
れたようになって、そのまま両手に持っていた
茶碗
(
ちゃわん
)
と箸を膳の上にゴトリと落した。一と口入れた御飯が、もくし上げて来るようで
咽喉
(
のど
)
へ通らなかった。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
世間一般によく見る通り、その人の
手腕
(
うで
)
がすぐ彼女の問題になった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それがあたしの
手腕
(
うで
)
でさあね。もとは
銅
(
あか
)
なんだけれど、ちょいとしたこつで
黄金
(
こがね
)
に見えるんだよ。あたしはこの術を
切支丹屋敷
(
きりしたんやしき
)
の
南蛮人
(
なんばんじん
)
に聞いたんでね。
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
親切の上親切を尽してわが知恵思案を凝らせし絵図までやらんというものを、むげに返すか慮外なり、何ほど
自己
(
おのれ
)
が
手腕
(
うで
)
のよくて
他
(
ひと
)
の
好情
(
なさけ
)
を無にするか
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その
手腕
(
うで
)
のあるところだけを賞めたのだから、あえて、お
咎
(
とが
)
めを
蒙
(
こうむ
)
る筋はあるまいと存じます
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
素性はよく分りませんが、妖婦型の凄い
手腕
(
うで
)
を
有
(
も
)
っていると専ら評判をいたして居ります。
機密の魅惑
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
けれども、ジュコーフスキー流にやると、成功すれば光彩燦然たる者であるが、もし失敗したが最後、これほど見じめなものはないのだから、余程自分の
手腕
(
うで
)
を信ずる念がないとやりきれぬ。
余が翻訳の標準
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夫人の寫生家としての冴えた
手腕
(
うで
)
が、他の作品では兎もすると、押へても押へ切れない夫人特有の片意地や、あて氣や、山氣に邪魔されて、本來の光を現さないのが、此處では立派な作品を成し
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
五日ばかり境内に小屋を張って、日本一太郎の
手腕
(
うで
)
いっぺえに、手品だけで打ち通してみねえかというのだ。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だとて我が今理屈を味方にするでもない、世間を味方にするでもない、汝が
手腕
(
うで
)
のありながら不幸せで居るというも知って居る、汝が
平素
(
ふだん
)
薄命
(
ふしあわせ
)
を口へこそ出さね
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
もし当地に
住居
(
すまい
)
致す者にてこれだけの
手腕
(
うで
)
のある人あらば、拙者に心当りのないはずはないが……しかしその見当がつかぬ。察するところ、他国の浪人がいずれにか隠れていて、夜な夜な
狼藉
(
ろうぜき
)
を
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「未熟な
手腕
(
うで
)
をもって刺客などとは片腹痛い。それにしても、きやつかっぷくに似ずもろかったなあ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
双方
忍耐仕交
(
がまんしあふ
)
として忍耐の出来ぬ訳はない筈、何もわざ/\骨を折つて汝が馬鹿になつて仕舞ひ、幾日の心配を煙と
消
(
きや
)
し天晴な
手腕
(
うで
)
を寝せ殺しにするにも当らない、なう十兵衞
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
我が
手腕
(
うで
)
の程はいかにという自負心が
勃然
(
ぼつねん
)
として頭を上げ
来
(
きた
)
ったのです。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
せいぜいおせい様なり、あの急ごしらえの妹さんのお駒とかいう
女
(
ひと
)
なり、そのほか何人何十人の女でも、
手腕
(
うで
)
いっぱいにおだましなすったがおよろしゅうございましょう。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
よくよく汝をいとしがればぞ踏み
耐
(
こた
)
えたるとも知らざるか、汝が運のよきのみにて汝が
手腕
(
うで
)
のよきのみにて汝が心の正直のみにて、上人様より今度の
工事
(
しごと
)
命
(
いいつ
)
けられしと思い居るか
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
たしかに
手腕
(
うで
)
はある女だ
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは、喬之助の弟琴二郎をおびき出して、責めるなり
欺
(
だま
)
すなり、そこらは長庵の
手腕
(
うで
)
だが、とにかく何とかして、兄喬之助の
潜伏
(
せんぷく
)
個所を吐き出させること。それだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
せめて腕の半分も
吾夫
(
うちのひと
)
の気心が働いて呉れたならば斯も貧乏は為まいに、
技倆
(
わざ
)
はあつても宝の持ち腐れの
俗諺
(
たとへ
)
の通り、
何日
(
いつ
)
其
手腕
(
うで
)
の顕れて万人の眼に止まると云ふことの
目的
(
あて
)
もない
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
医術のほうの
手腕
(
うで
)
は大したことはないらしいが、
幇間
(
たいこもち
)
的な、
辯巧
(
べんこう
)
の達者な男なので、この脇坂山城守をはじめ、こういう
大所
(
おおどころ
)
を病家に持って、無礼御免に出入りしているのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
磯五は、それを思い出して、
悶着
(
もんちゃく
)
のないようにこの出し入れをしなければならないと思った。新しいおしんという女は、
手腕
(
うで
)
も達者だし、すこしは人も使えて、人間もいいというのである。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そこが貴様の
手腕
(
うで
)
ではないか」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
手腕
(
うで
)
は互角。厄介な勝負だ。
寛永相合傘
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“手腕”の意味
《名詞》
手 腕(しゅわん)
手と腕。かいな。
腕前。技量。
(出典:Wiktionary)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
腕
常用漢字
中学
部首:⾁
12画
“手腕”で始まる語句
手腕家