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手洗鉢
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ちょうずばち
ふりがな文庫
“
手洗鉢
(
ちょうずばち
)” の例文
梅
(
うめ
)
が
枝
(
え
)
の
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
じゃあるまいし、乃公を叩いたって森川さんが帰って来るものか。けれども此は一の
悲
(
かなし
)
む
可
(
べ
)
き過失に外ならない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
左側の石の
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
にはいつも綺麗な水が
溢
(
あふ
)
れていて、奉納の
手拭
(
てぬぐい
)
の沢山下がっているのには、芸者の名が多く見えました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
あれも
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の側へ普通
石鹸
(
せっけん
)
の外にアルボースのような殺虫石鹸を備えておいたらば手を洗っても心持がいいでしょう。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勿論
(
もちろん
)
俳味を
専
(
もっぱら
)
とする処から大きな
屏風
(
びょうぶ
)
や大名道具には
札
(
ふだ
)
を入れなかったが
金燈籠
(
きんどうろう
)
、
膳椀
(
ぜんわん
)
、
火桶
(
ひおけ
)
、
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
、
敷瓦
(
しきがわら
)
、
更紗
(
さらさ
)
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その晩は珍らしい大雪の翌日で、夜中に、雨戸一枚を繰り
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
にかがんだが、銅の手杓も
凍
(
い
)
てあがっていた。
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
こう考えたので、彼は、一応、屋敷のぐるりを見て置こうと決心し、幸いに、
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
のそばの
沓脱
(
くつぬ
)
ぎに、庭下駄が一足あったので、それを突っかけて、奥庭の上に出た。
好色破邪顕正
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
間もなく、むこうのほうで
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の
柄杓
(
ひしゃく
)
をガチャガチャいわせていたが、のそのそと戻って来て
顎十郎捕物帳:15 日高川
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
旧幕の
比
(
ころ
)
であった。江戸の山の手に住んでいる
侍
(
さむらい
)
の一人が、某日の
黄昏
(
ゆうぐれ
)
便所へ往って手を洗っていると
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の下の
葉蘭
(
はらん
)
の間から
鬼魅
(
きみ
)
の悪い紫色をした小さな顔がにゅっと出た。
通魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お徳は縁先にある
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の水でもぶッかけてやりたいほど、「うるさい、うるさい。」と言っていながら、やっぱり猫のような動物の世界にも好いた同志というものはあると知った時は
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わずかに戸袋の側の
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の下に、
南天
(
なんてん
)
が一株ありますが、それといっても、人間が潜りもどうも出来るほどのものではなく、狭い場所一パイに建てた家で、たった一つの庭木戸の
外
(
ほか
)
には
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「順礼に」にて、柄杓を左手にてぬきとり、これに手裏剣を受け止め、下手に廻り「御報捨」にてそを右手へ取直して
僅
(
わずか
)
にささげ、左手は
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の縁にかけ、さげすみたる笑にて幕となる。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の水を、南天の葉へチョッチョッとかけて、
手拭
(
てぬぐい
)
掛けに手を伸ばしながら、さて、おもむろに庭の秋色を眺め廻した後、机の
抽斗
(
ひきだし
)
から薬草の
胚子
(
たね
)
らしいものを取り出して庭へ下りた。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「朝顔が咲くのを見たわ」おふさは夜具の中で参太の手を引きよせた、「
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の脇の
袖垣
(
そでがき
)
に
絡
(
から
)
まってるの、なにか動くようだからひょいと見たのよ、そうしたら朝顔の蕾が開くところだったの」
おさん
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「……そら、キンキラキン、
金
(
かね
)
の
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
、胸突ガンギに桜馬場、それも
然
(
そ
)
うたい、キンキラキン、キンキラキンのガネマサどん、ガネマサどんの
横這
(
よこびゃ
)
あ
這
(
びゃ
)
あ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と、湯呑みを持って行って縁先から、
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
の水をすくってくる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と千吉君は
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
で手を洗って来た。早速不断着に替えながら
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
洗
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
鉢
常用漢字
中学
部首:⾦
13画
“手洗”で始まる語句
手洗
手洗場
手洗水
手洗口
手洗囲
手洗石