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手並
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てなみ
ふりがな文庫
“
手並
(
てなみ
)” の例文
しかし、それは決して人の好いものではない。彼女はピアノを
彈
(
ひ
)
いた。その
手並
(
てなみ
)
は鮮かだつた。彼女は歌つた。その聲は立派だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
即ち
花生
(
はない
)
けに椿の花を生けようとする場合に、
手並
(
てなみ
)
が上手でないために、椿の花が正面を向かずに向うを向いたというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
七兵衛は米友に向って、なおくわしくがんりきの人相や悪事の
手並
(
てなみ
)
を語って、それに多くの敵意と注意を吹き込んでおきました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こんどもこうして
山
(
やま
)
へはいれば、きつねか、おおかみか、
大
(
おお
)
ぐまをしとめて、
土産
(
みやげ
)
にするから、どうか
私
(
わたし
)
の
手並
(
てなみ
)
を
見
(
み
)
ていてもらいたいものだ。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
秀吉公
(
ひでよしこう
)
の
威勢
(
いせい
)
をもおそれず、都へ
入
(
い
)
りこんでくるとは、
不敵
(
ふてき
)
なやつ。この呂宋兵衛の
手並
(
てなみ
)
にもこりず、わざわざ
富士
(
ふじ
)
の
裾野
(
すその
)
から討たれにきたか
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
クララ夫人のピアノの
手並
(
てなみ
)
と、その聡明さについては、文献を通して、我らはかなり
彷彿
(
ほうふつ
)
することが出来るのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
伊豆を旅してむしろ眼に入るのは路傍に立つ石像などではないでしょうか。伊豆は石の国ともいえましょう。無名の石工は時折驚くべき
手並
(
てなみ
)
を見せます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
二郎青年もベッドに這入ったが、なかなか
睡気
(
ねむけ
)
を催さぬ。
外
(
ほか
)
の人々は安心しても、彼丈けは怪物の神変不思議な
手並
(
てなみ
)
を、まざまざと見せつけられていたからだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
此
(
この
)
大騷動
(
だいさうどう
)
の
後
(
のち
)
は、
猛獸
(
まうじう
)
も
我等
(
われら
)
の
手並
(
てなみ
)
を
恐
(
おそ
)
れてか、
容易
(
ようゐ
)
に
近
(
ちか
)
づかない、それでも
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
るではなく、
四五間
(
しごけん
)
を
距
(
へだ
)
てゝ
遠卷
(
とほまき
)
に
鐵檻
(
てつおり
)
の
車
(
くるま
)
を
取圍
(
とりま
)
きつゝ、
猛然
(
まうぜん
)
と
吼
(
ほ
)
えて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
頂きはしばしば四つの
総
(
ふさ
)
で飾られてある。糸かがりが面白いのみか、笠の裏側がまた美しい。色々な布で色々な形の裏をつける。皆
綿入
(
わたいれ
)
で裁縫の
手並
(
てなみ
)
をここでも見せる。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
如何様
(
いかよう
)
の
手並
(
てなみ
)
を彼が現わすかということが
玄人
(
くろうと
)
仲間の
研究物
(
けんきゅうもの
)
であったということと、もう一つは、机竜之助は甲源一刀流から出でて別に一派を開かんとする野心がある
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
机竜之助は久しぶりで
心地
(
ここち
)
よい見物をしたと、その瞬間には今朝よりの不愉快なこともすっかり忘れ去って、少年の
手並
(
てなみ
)
の
鮮
(
あざや
)
かなのに感心をすると共に、自分はいかに
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
弓の道具類も仕事のよさを
未
(
いま
)
だに失っておりません。
紙縒細工
(
かみよりざいく
)
の矢筒、革細工の
弓懸
(
ゆがけ
)
など見事な
手並
(
てなみ
)
を見せます。
幾許
(
いくばく
)
かの人が良い仕事を愛すると見えます。この細工を「
長門細工
(
ながとざいく
)
」と呼びます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
伊賀の上野の
鍵屋
(
かぎや
)
の
辻
(
つじ
)
というのは、かの荒木又右衛門が
手並
(
てなみ
)
を現わした
敵打
(
かたきう
)
ちの名所。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
並
常用漢字
小6
部首:⼀
8画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭