愚僧ぐそう)” の例文
見遣られ相良領さがらりやうの百姓三五郎とやら愚僧ぐそうへ如何なる用事あつて參りしぞと尋ねらるゝにぞ三五郎はハツと答へ最前さいぜんより無禮の儀ども申上しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
源教げんけう、そはよき功徳くどくならん、古志郡こしこほりのお菊がいうれいを見とゞけたりと人々にかたり玉へ、愚僧ぐそうもわどのを証人しやうにんとして幽霊をかたりて教化けうぐゑのたよりにせん。
愚僧ぐそうの気のせいかも知れぬが、あの塔の三じゅうにあたる欄干らんかんに、何者か立っておらぬだろうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ハイ/\これ猪口ちよくかい、大分だいぶ大きな物だね、アヽ工合ぐあひについたね。グーツと一くちむかまんうち旅僧たびそうしぶい顔して、僧「アツ……御亭主ごていしゆついで愚僧ぐそうしばつておれ。 ...
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
愚僧ぐそう一生涯の行状、懺悔ざんげのためその大略をここしたた置候おきそうろうものなり
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
愚僧ぐそういほりは嵯峨の奧にあれば、此わたりには今日けふが初めて。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
可睡齋押返し愚僧ぐそう態々わざ/\推參すゐさん致し右の趣き御聞濟きゝずみ是なきに於ては退院たいゐん致すべき存寄ぞんじよりに候と思ひ入て申されけるにぞ外記は殊のほか迷惑めいわくに思ひ然樣の思召ならばまげて一等罪を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「あなたが塩原多助しほばらたすけ御縁類ごえんるゐかたでございますか、愚僧ぐそう当住たうぢうで……只今たゞいま御囘向ごゑかうを……」
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御免下されなば御吟味すぢも早く御分りに相成申べしと申たてけるに大岡殿其儀は何成なになりくるしからず差免さしゆるすとありしかば無量庵はすこし白洲の方に向ひコレ九郎兵衞定めて愚僧ぐそう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)