性分しやうぶん)” の例文
それがいけないので、わつし子供こども時分じぶんから、人の見てまいでは物ははれない性分しやうぶんですから、何卒どうぞかへつて下さい、お願ひでございますから。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は好きではあるが二杯以上はのめないし、それにこんなところで、長つたらしく腰をゑてのんではゐられない性分しやうぶん
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
なんでもわたしちやたれでもおなじこと相續人さうぞくにん氣味きあぢわるくしねえやうにやんなくつちやへねえよ、そんだがそれも性分しやうぶんでなあ、ほかからぢやしやうねえものよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「や、伯父をぢさん」と蒋生しやうせい蘇生よみがへつたやうにおもつて、はじめて性分しやうぶんこゑして伸上のびあがる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またまゝむすめ紛紜もめでもおこりましたのか、せまひとなれば何事なにごとくちには得言えいはで、たんとむねいたくするがひと性分しやうぶんこまりもので御座ござります、とてわざとの高笑たかわらひをしてかせれば
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「君は余つ程気楽な性分しやうぶんと見える。それが本当の所なんですか」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
性分しやうぶんですね」