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廻
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まはり
其の
福々で思ひ出したが、七
福廻と
云ふのは一
体君は
何処へ
行くんだ。甲「
僕の七
福廻りといふのは
豪商紳士の
許を
廻るのさ。乙「へ、へ——
何処へ。 ...
引請しにより彼是月に二兩位に成りしとぞ或夜
廻の節
霜月末の事にて寒氣
烈敷雪は
霏々と降出しゝ中を石町の鐘と
倶に
子刻の拍子木を打乍ら
小路々々を
はじめの
内は一
廻も
太つたやうに
思はれて
痒さが
耐らなかつたが、しまひにはげつそり
痩せたと、
感じられてづきづき
痛んでならぬ、
其上を
用捨なく
歩行く
内にも
入交りに
襲ひをつた。
脱ぬうち穀屋へ行て
來やうか扨々
腹が
減たお峰や一寸一杯
喰込で行うと
腰を掛け
居處へ當宿の村役人段右衞門と
岡引吉藏
案内にて八州
廻の役人どや/\と
押來り
上意々々と聲を
掛飛懸つて富右衞門を