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ふりがな文庫
“
建築物
(
たてもの
)” の例文
新しい
建築物
(
たてもの
)
で満たされた東京の中心地の市街から品川の海の方まで見えるその山の上で、岸本の心はよく谷中の空の方へ行った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
このついでに殿という字の意味を申せば、殿は文字の示すごとく長者の
建築物
(
たてもの
)
に対する敬号である。家号の属する土地である。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
木立の間、花の上、處々に現れた洋風の
建築物
(
たてもの
)
は、何樣異なる趣きを見せて、未だ見ぬ外國の港を偲ばしめる。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
天文地文数学などに極めて造詣の深かった
亜剌比亜
(
あらびや
)
人の
建築物
(
たてもの
)
だけに、何処も彼処も幾何学的に、それでいて如何にも装飾的に、出来ているのでございます。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
森とよばれる、ブーローニュ公園を後にした樹木に
密
(
こ
)
んだ坂道の、高級な富人の家ばかりある土地で、門構えの独立した
建築物
(
たてもの
)
が
揃
(
そろ
)
っているところにお雪は平安に暮してはいる。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
人間と名付くる
建築物
(
たてもの
)
の屋根裏に在るところを見ると、貴重な滋養分の貯蔵タンクではないかとも思えるし、小腸とおんなじような曲線でヌタクッているところから想像すると
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼はなだらかな岡の地勢を成したソルボンヌ
界隈
(
かいわい
)
の町をパンテオンへと取り、あの古い
建築物
(
たてもの
)
の側にあるルウソオの銅像の
周囲
(
まわり
)
を歩いて
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
木立の間、花の上、処々に現れた洋風の
建築物
(
たてもの
)
は、何様異なる趣きを見せて、未だ見ぬ
外国
(
とつくに
)
の港を偲ばしめる。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
対岸に並び
接
(
つゞ
)
く家々の屋根、ところ/″\に高い寺院の
建築物
(
たてもの
)
、今は丘陵のみ残る古城の跡、いづれも雪に包まれて
幽
(
かす
)
かに白く見渡される。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
六角形に出来た経堂の
建築物
(
たてもの
)
もあつて、勾配のついた瓦屋根や、大陸風の柱や、白壁や、すべて過去の壮大と
衰頽
(
すゐたい
)
とを語るかのやうに見える。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と主婦は食堂の窓の側に立って、
黄昏時
(
たそがれどき
)
の空気のために
紅味勝
(
あかみが
)
ちな紫色に染まった産科病院の
建築物
(
たてもの
)
を岸本に
指
(
さ
)
して見せた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
たゞ
一際
(
ひときは
)
目立つて此窓から望まれるものと言へば、現に丑松が奉職して居る其小学校の白く塗つた
建築物
(
たてもの
)
であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこにあるものは何もかもまだ新世帯の感じだ。
建築物
(
たてもの
)
からして和洋折衷だ。万事手回りかねる際とて、
椅子
(
いす
)
も粗末なものを並べて間に合わせてある。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
多くの児童を収容する大校舎の
建築物
(
たてもの
)
をこうした山間に望む景色は、一寸他の地方に見られない。そういう建物は何かの折に公会堂の役に立てられる。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
曽て彼が銀座の田辺の家の方から通って行った
数寄屋橋側
(
すきやばしわき
)
の赤煉瓦の小学校の
建築物
(
たてもの
)
は、青木も矢張少年時代を送ったというその同じ校舎であることが分って来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小諸の荒町から赤坂を下りて行きますと、右手に当って
宏壮
(
おおき
)
な鼠色の
建築物
(
たてもの
)
は小学校です。その中の一
棟
(
むね
)
は
建増
(
たてまし
)
の最中で、高い足場の内には塔の形が見えるのでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
大きな
建築物
(
たてもの
)
のせせこましく並んだ町を折れ曲って電車を待つところへ歩いて行った。株の高低に激しく神経を刺激された人達が、二人の前を右に往き、左に往きした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこここに高く
聳
(
そび
)
ゆる宏大な
建築物
(
たてもの
)
は、壮麗で、斬新で、
燻
(
くす
)
んだ従来の形式を圧倒して立つように見えた。何もかも進もうとしている。動揺している。活気に
溢
(
あふ
)
れている。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
湯の香のする舊い朽ちかゝつたやうな町、左樣かと思ふと繪葉書を賣る店や、玉突場や、新しく普請をした
建築物
(
たてもの
)
などの軒を並べた町——斯う
混交
(
いれまじ
)
つて居るところへ來た。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
という姉さんの後に随いて行って見ると、帳場の後手から自由に
隣家
(
となり
)
の方へ通うことが出来て、そこにはまた芝居の楽屋のような暗さが閉めきった土蔵造の
建築物
(
たてもの
)
の
内部
(
なか
)
を占領していた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私の眼からは
止處
(
とめど
)
もなく涙が流れた。痛い風の刺激に逢ふと、
必
(
きつ
)
と私はこれだ。やがて山間に不似合な大きな
建築物
(
たてもの
)
の見える處へ出て來た。修善寺だ。大抵の家の二階は戸が閉めてあつた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お種がここへ
嫁
(
かたづ
)
いて来た頃は、三吉も郷里の方に居て、まだ極く
幼少
(
おさな
)
かった。その頃は両親とも生きていて、
老祖母
(
おばあ
)
さんまでも
壮健
(
たっしゃ
)
で、古い大きな
生家
(
さと
)
の
建築物
(
たてもの
)
が焼けずに形を存していた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この静かな庭の方へ、丁度私達の居る病室と並行に突出した
建築物
(
たてもの
)
があって、その
石階
(
いしだん
)
の鉄の
欄
(
てすり
)
までも分って来た。赤く寂しい電燈が向うの病室の廊下にも見える。顔を洗いに行く人も見える。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は風呂敷包だけを
抱
(
かか
)
えて、岡の上に立つ一
群
(
むれ
)
の
建築物
(
たてもの
)
に別れを告げた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日本橋呉服町に在る
宏壮
(
おおき
)
な
建築物
(
たてもの
)
の二階で、
堆
(
うずたか
)
く積んだ簿書の
裡
(
うち
)
に身を
埋
(
うず
)
めながら、相川は前途のことを案じ
煩
(
わずら
)
った。思い疲れているところへ、丁度小使が名刺を持ってやって来た。原としてある。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
以前には戦争を記念する為の銅像もなく、高架線もなく、大きな
建築物
(
たてもの
)
も見られなかった万世橋附近へ出ると、こうも多くの同胞が居るかと思われるほど、見ず知らずの
男女
(
おとこおんな
)
が広い道路を歩いている。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“建築物”の解説
建築物(けんちくぶつ)は、建築された物体。建築された構造物。
建築物は使用目的によって形態が異なるほか、構造体も異なる。建築学・建築分野で扱う建築作品、日本語の建物(たてもの)を連想されるが、この場合の〈建築〉及び〈建築する〉は、それだけに留まらない。
建築物は工学で扱われる対象であると同時に芸術的現象としての側面も有する。
(出典:Wikipedia)
建
常用漢字
小4
部首:⼵
9画
築
常用漢字
小5
部首:⽵
16画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“建築”で始まる語句
建築
建築家
建築塔
建築界
建築土木用
建築主
建築學
建築線
建築材
建築用