“たてもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タテモノ
語句割合
建物71.4%
建築物17.1%
建築4.8%
立者4.8%
立物1.0%
達者1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ハイ、御覽ごらんとほり、むらではおほきな建物たてものです。しかしこのおてら村中むらぢう人達ひとたちめにあるのです。わたしはこゝに御奉公ごほうこうしてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
このついでに殿という字の意味を申せば、殿は文字の示すごとく長者の建築物たてものに対する敬号である。家号の属する土地である。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
孤独な、老い先のない身で、こんな大きな建築たてものをやって、彼は一体、何が満足なのだろう。単なる、普請狂ふしんきょうとも思われない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちの二名は、たしかに、昨日の藤川河原の立者たてものの再現であることをお角は見誤りません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
生命いのちり取りというほどのことには至らなくても、きわどい喧嘩場などに一方の立物たてものとなったりしたことがあります。
例の万歳楽、賀皇恩がこうおんなどという舞を、形式的にだけ舞わせたあとで、お座敷の音楽のおもしろい場が開かれた。太政大臣という音楽の達者たてものが臨場していることにだれもだれも興奮しているのである。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)