“建増”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たてまし66.7%
たてま33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
塾では更に校舎の建増たてましを始めた。教員の手が足りなくて、翌年の新学年前には広岡理学士が上田から家を挙げて引移って来た。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
建増たてましをするために、今まで住んだ千住から大工を連れて来たり、売買の仲介をした坂下の千樹園というのに、狭い庭の設計などをさせました。それは母が引受けたのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
その段を昇り切ると、取着とッつき一室ひとま、新しく建増たてましたと見えて、ふすまがない、白いゆかへ、月影がぱっと射した。両側の部屋は皆陰々いんいんともしを置いて、しずまり返った夜半よなかの事です。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてその翌朝は、そこのとなりの、新らしく建増たてました物置きへ椅子やテーブルを運んでいったのであった。つい隣りの台所では下女げじょきつけはじめていたということである。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)