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しちゅう
ふりがな文庫
“
市中
(
しちゅう
)” の例文
春章
(
しゅんしょう
)
写楽
(
しゃらく
)
豊国
(
とよくに
)
は江戸盛時の演劇を眼前に
髣髴
(
ほうふつ
)
たらしめ、
歌麿
(
うたまろ
)
栄之
(
えいし
)
は不夜城の歓楽に人を
誘
(
いざな
)
ひ、
北斎
(
ほくさい
)
広重
(
ひろしげ
)
は閑雅なる
市中
(
しちゅう
)
の風景に遊ばしむ。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は今日初めて明るい
紫紺
(
しこん
)
に
金釦
(
きんぼたん
)
の
上衣
(
うわぎ
)
を引っかけて見た。
藍鼠
(
あいねずみ
)
の大柄のズボンの、このゴルフの服は
些
(
いささ
)
かはで過ぎて
市中
(
しちゅう
)
は歩かれなかった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
東京の
市中
(
しちゅう
)
へ使いにいって、あのものすごい
雑沓
(
ざっとう
)
に出あうと、かれは自分をどうしていいかわからないのに、この親切なおやじさんと
別
(
わか
)
れるようになるのがいやだったのです。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
試験をすましたら、動物園も見よう、博物館にもはいろう、ひととおり
市中
(
しちゅう
)
の見物もしよう、お茶の水の寄宿舎に小畑や郁治をも訪ねよう、こういろいろ心の中に計画してやって来た。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ですから、いまにも
戦争
(
せんそう
)
がはじまりそうで、
江戸
(
えど
)
の
市中
(
しちゅう
)
はざわついていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
▼ もっと見る
あの
酔漢
(
よっぱらい
)
は
丸山本妙寺
(
まるやまほんみょうじ
)
中屋敷に住む人で、元は
小出
(
こいで
)
様の御家来であったが、
身持
(
みもち
)
が悪く、
酒色
(
しゅしょく
)
に
耽
(
ふけ
)
り、
折々
(
おり/\
)
は
抜刀
(
すっぱぬき
)
などして人を
威
(
おど
)
かし乱暴を働いて
市中
(
しちゅう
)
を
横行
(
おうぎょう
)
し、
或時
(
あるとき
)
は料理屋へ
上
(
あが
)
り込み
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
のみならず、そこには
大
(
おお
)
きな
建物
(
たてもの
)
が
並
(
なら
)
んで、
烟
(
けむり
)
が
空
(
そら
)
にみなぎっているばかりでなく、
鉄工場
(
てつこうじょう
)
からは
響
(
ひび
)
きが
起
(
お
)
こってきて、
電線
(
でんせん
)
はくもの
巣
(
す
)
のように
張
(
は
)
られ、
電車
(
でんしゃ
)
は
市中
(
しちゅう
)
を
縦横
(
じゅうおう
)
に
走
(
はし
)
っていました。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
春章
(
しゅんしょう
)
写楽
(
しゃらく
)
豊国
(
とよくに
)
は江戸盛時の演劇を眼前に
髣髴
(
ほうふつ
)
たらしめ、
歌麿
(
うたまろ
)
栄之
(
えいし
)
は
不夜城
(
ふやじょう
)
の歓楽に人を
誘
(
いざな
)
ひ、北斎広重は閑雅なる
市中
(
しちゅう
)
の風景に遊ばしむ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
繁華な
市中
(
しちゅう
)
からも
日本晴
(
にほんばれ
)
の青空遠く富士山を望み得たという昔の眺望の幾分を保存させたであろうと
愚
(
ぐ
)
にもつかぬ事を考え出す。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
前回記する処の崖といささか
重複
(
ちょうふく
)
する嫌いがあるが、
市中
(
しちゅう
)
の坂について少しく述べたい。坂は即ち
平地
(
へいち
)
に生じた波瀾である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
柳は桜と共に春来ればこきまぜて都の錦を
織成
(
おりな
)
すもの故、
市中
(
しちゅう
)
の樹木を愛するもの決してこれを
閑却
(
かんきゃく
)
する訳には
行
(
ゆ
)
くまい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
平素
市中
(
しちゅう
)
の百貨店や
停車場
(
ていしゃじょう
)
などで、疲れもせず我先きにと先を争っている喧騒な優越人種に逢わぬことである。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしこの幸福は世間一般が不景気になるに従って
追々
(
おいおい
)
に破壊せられるようになった。再び年号が改ったその翌年の春、
市中
(
しちゅう
)
の銀行が
殆
(
ほとんど
)
一軒残らず戸を閉めたことがあった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
道路は
市中
(
しちゅう
)
の昭和道路などよりも一層ひろいように思われ、両側には歩道が設けられていたが、ところどころ会社らしいセメント
造
(
づくリ
)
の建物と
亜鉛板
(
トタンいた
)
で囲った小工場が散在しているばかりで
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“市中”の意味
《名詞》
市中(しちゅう)
市の内。街中。
民間。
(出典:Wiktionary)
市
常用漢字
小2
部首:⼱
5画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“市中”で始まる語句
市中廻
市中原野
市中巡邏
市中音楽隊